2 / 28
第1章
2話 キスから始まった1日目
しおりを挟む2024年12月24日 21:40
何…このキスをしている様な感じ…
すごく柔らかくて…気持ちいい…
え…私…今、誰かとキスしてる…⁈
マリが目を開けると誰かとキスをしていた。
慌てて顔を離すと、何とその相手はテグだった。
テ…テグ⁈
え…ウソ…
私…今…夢を見てるの…⁈
ここは…どこ…⁈
マリはパニックになった。
「ど、どうしたの?嫌だった?」
わーっ、本物のテグだーっ。
どうなってるのーっ⁈
「マリ、大丈夫?」
私の名前を呼んでるーっ…
「す、すみません。ちょ、ちょっとお手洗いに…」
「あ…うん」
「あ、あの…お、お手洗いはどこです…か…?」
「そこ真っ直ぐ行って右だけど…」
「…あの…ここは、どこ…ですか…?」
「え?マリ、もしかして酔ったの?ここ、俺ん家だろ」
テ…テグの家…?
マリは頭を整理しようと、急いでお手洗いに行った。
ちょっと待ってよ…
落ち着くのよ、マリ…
腕時計を見て、日付けと時間を確認した。
2024年12月24日 21:45
今から1時間ちょっと前…
私はお婆さんの家の前まで行ったんだよな…
お婆さんから手を出してって言われて、目を瞑って…
それから記憶がない…
そう言えば…
願いを叶えてあげるって言ってだけど…
ま…まさか…本当に叶えてくれたって事?
え…どうして…どうやって…?
あまりのリアルさに夢ではないと確信したマリは、お婆さんが願いを叶えてくれたと受け入れた。
とても有り得ない事だけど、純粋なマリはお婆さんに感謝をした。
でも、どうしよう…テグと一緒に居るなんて…緊張して生きた心地がしない…
っていうか、私…テグとキスしてた…
キャーッ…信じられない…
そっか。でも今は私、テグの恋人なんだ…
マリは勇気を出して、テグが居るリビングに戻った。
ソファーに座るとテグが心配そうにマリを見る。
うわっ、近いっ…
まともに顔が見れない…
生のテグ…カッコよすぎ…
「大丈夫?顔色悪いよ」
「そ、そうですか…」
「何で急に敬語?」
タメ口で話してたって事…か…
「あっ、ううん…ちょっと酔ったのか…な」
「水飲む?」
「こ、これでいいです…」
目の前にあったワインを飲み出した。
飲まないとやってられないと思ったマリはワインを次々と飲み干した。
「ハハ…変なの」
一体どういう流れで私とテグは恋人になったんだろう…
私はどこに住んでるんだろう…
90日間っていっても仕事は…?
マリは分からない事だらけで不安になってきた。
知っているのはテグしか居ないので、バレない様に少しずつ聞いていく事にした。
「あ、あの…テグさん…?」
「テグさん?呼び捨てで呼ぼうって決めたのに」
よ、呼び捨て…⁈
「そ、そうだったねっ。テ、テグ…私たちって付き合ってるん…だよ…ね…?」
「え…そうだよね?俺はそう受け止めたけど。今日が1日目でしょ?」
今日⁈今日から付き合い始めたんだ…
「そ、そうだね!」
「でも嬉しかったよ。俺もマリの事が気になってたから、マリから告白されて思わずキスして…ごめん」
私から告白したんだ…
それでキスしてたの…?
マリは顔が真っ赤になった。
「テ…テグは…芸能人だから、私の存在バレない様にしないとね…」
「…うん、しばらくはね。で、ちょっとマリに提案なんだけど…ここの隣が今、空き室だから引越して来ない?家賃は俺が払うし」
「え…」
「ここに一緒に住むのはまだ早いでしょ」
「う…うん」
「隣だとバレずに会いやすいし。どう?」
「でも、家賃とか高いんじゃ…」
「そんな気にしなくていいし。ホテル暮らしよりいいでしょ?」
ホテル暮らししてたんだ…私…
「う、うん。ありがとう。そうする!」
ここは甘えていいよね…
「仕事も無理して探さなくていいんじゃない?俺が面倒見るよ」
仕事はしてなかったのか…
自分で聞く前にテグが言ってくれて助かった…
「うん、でも…仕事は探すよ」
「そっか。わかった。部屋の事は明日、入居出来るようにしとくから」
「あ、明日⁈そんな早く入居出来るの⁈」
「このマンションのオーナー、知り合いだから大丈夫」
「そ、そう」
「今日はもう遅いから、ホテルに戻らずここに泊まるといいよ」
「えっっ」
「ちょっと…そんなに驚かなくても。寝る時は別々の部屋だから」
「あっ、は、はい…」
テグは思った通りの人だった…♡
マリは来客用の部屋に行き、布団に潜った。
あのテグと私が恋人同士だなんて…
遠くからでもいいから、テグを一目見てみたいと思っていたのに…
それが恋人だなんて、夢みたい…
しかも、生テグ…イケメン過ぎ!!
本当、幸せー!!
でも、お婆さんが言ってたけど90日間か…
90日経つと元の場所に戻るのか…
そういえば、90日経ったら私以外は記憶無くなるって言ってたけど…
テグも私の事、記憶から消されるのか…
それから、バレたら相手に災難が起きるって言ってた…
絶対にそれだけはダメ…
こんな事、有り得ない事だし…いい夢を見させてもらってると思って、3ヶ月楽しむ事にしよう!
それにしても、クリスマスイブから付き合うなんてロマンチック♡
マリは幸せ過ぎて、なかなか寝付けなかった。
9
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
嘘はあなたから教わりました
菜花
ファンタジー
公爵令嬢オリガは王太子ネストルの婚約者だった。だがノンナという令嬢が現れてから全てが変わった。平気で嘘をつかれ、約束を破られ、オリガは恋心を失った。カクヨム様でも公開中。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる