ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第12章  3人のばぁば!

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「いい人みたいね」
 背後で、声が聞こえる。
灯里は驚いて振り向くと、いつの間にか病室のドアが開いて、
お姑さんが、こちらを向いていた。
 一瞬灯里は、自分たちの会話を、聞かれてしまったのか…と焦る。
だがお姑さんの表情を見る限り、どうもそうではないらしい…と、
すぐに気が付いた。

「ええ、とってもいい人です」
 灯里はそう答えると、再び病室に戻る。
「ところであなた…実家に帰らずに、親戚のおばさんに、世話になる…
 って聞いたけど、それはホント?」
いきなり口火を切る。
「えっ」
もしかして久志さんに、聞いたのか?

灯里は一瞬、ヒヤリとするけれど…
何とか平静を装って
「えぇ、たまたま、近くに住んでいるとわかったので」
自分の実家よりも、はるかに便利だ…
ということを、ことさら強調して、口にしてみる。
「なによ、それならうちの家に来ればいいのよ」
 またももめそうな空気を感じる。
「でも、お母さんたちには、迷惑をかけられないし…
 お父さん…血圧が高いから、心配なんです」
とっさに、義父のことを、引き合いに題した。
義母が、この人のことを、かなり煙たがるだろう…
と、灯里はすでに、気付いている。
「あぁ…そうなよねぇ」
 いきなり思い出したように、義母の表情が、トーンダウン
しているのを感じた。
「あの人…ちょっと大げさなのよねぇ。
 扱いにくいったら」
ブツブツと文句を言い始める。
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