ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第11章 トンネルを抜けて…

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「なによぉ~立ち聞き?失礼しちゃうわ」
 アリサはそう言いながらも、さほど気にはしていないようだ。
「ありがと、ご苦労様!混んでなかった?」
 洗濯物のカゴを持っている久志を見ると、灯里はにこやかに
声をかける。
「いや、そんなことはないよ。
 今、乾燥機に入れてる」
チラリとアリサを見る。
「ホント、ありがとう」
2人のやり取りを、アリサは黙って、ニヤニヤしながら聞いている。
「相変わらず、仲がいいわねぇ」
からかう口調なのだが、少しジェラシーも入ってる。
「私にも、久志さんみたいな人がいれば…
 とっくに結婚してるんだけどなぁ」
ぼやくように言う。
冗談なのか、本気なのか、それとも半々なのか…
アリサは冗談めかしてそう言うと、羨ましそうに灯里を見た。
「私ってば、アカリのように、男を立てないからねぇ。
 生意気に思われているんだろうな」
久志の方を向いて言うと、
「そうかぁ?
 みんな、高嶺の花、と思っているんじゃあないかなぁ」
こう見えて、男はプライドが高いから…
ふられるのが、怖いんだろ、と冗談めかしてそう言う。
「そんなこと、ないわよ」
やけに自信満々に、そう言いきると
「ホント、誰か紹介してくださいよぉ。
 そうしたら、家族ぐるみで、お付き合いが出来ますよね?」
意外にも、スンナリとそんなことを、アリサの口からこぼれ出る。
「あら、それって、本気?」
思わず灯里は、聞き返した。
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