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第10章 捨てる神あれば拾う神あり
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アリサは灯里と目を見合わせる。
「私なんかで、役に立つかしら?」
やや不安そうに言う。
いつもは自信満々のアリサだが、ここは未知の領域…
「さすがに経験がないから、教えてあげることは出来ないわ」
その口調は、とても残念そうだった。
「いいのよ、来てくれるだけで、嬉しいわ」
灯里は励ますように言う。
いつもは落ち着き払っているアリサだが、今は冷静さを失って、
すっかり取り乱している。
(一体、久志さん…何と言ったのかしら?)
アリサの様子を見て、ちょっと気になる。
「大丈夫よ、みんなが普通に通る道なんだもの」
わざと平気そうに言うけれど…
実際は、数分おきに訪れる陣痛の痛みに、必死で耐えていた。
「わざわざ来てくれて、ありがとう」
側にいてくれるだけでも、心強い…
灯里は、アリサの手を握り締めた。
久志は気をきかせて、再び部屋を出て行った。
扉が閉まるのを確認すると、灯里はアリサの方を向き
「私ね…本当は、子供を産むのが、怖いの…」
アリサにそぅっと、自分の気持を打ち明けた。
「怖い?そうよねぇ~痛いし、不安だしねぇ」
それに、初めてだしね。
アリサはてっきり、彼女が出産を怖がっているのだ、と思い
込んでいるようだ。
「うん、それもあるんだけどね。
それよりも…
私、お母さんになる、自信がないんだ」
それは…今まで、誰にも打ち明けたことのない、正直な
気持だった。
アリサはハッとした顔になると
「アカリ…もしかして、やっぱりオバサンのことを?」
皆まで言わずとも、すぐにわかったようだった。
灯里は静かにうなづいた。
「私なんかで、役に立つかしら?」
やや不安そうに言う。
いつもは自信満々のアリサだが、ここは未知の領域…
「さすがに経験がないから、教えてあげることは出来ないわ」
その口調は、とても残念そうだった。
「いいのよ、来てくれるだけで、嬉しいわ」
灯里は励ますように言う。
いつもは落ち着き払っているアリサだが、今は冷静さを失って、
すっかり取り乱している。
(一体、久志さん…何と言ったのかしら?)
アリサの様子を見て、ちょっと気になる。
「大丈夫よ、みんなが普通に通る道なんだもの」
わざと平気そうに言うけれど…
実際は、数分おきに訪れる陣痛の痛みに、必死で耐えていた。
「わざわざ来てくれて、ありがとう」
側にいてくれるだけでも、心強い…
灯里は、アリサの手を握り締めた。
久志は気をきかせて、再び部屋を出て行った。
扉が閉まるのを確認すると、灯里はアリサの方を向き
「私ね…本当は、子供を産むのが、怖いの…」
アリサにそぅっと、自分の気持を打ち明けた。
「怖い?そうよねぇ~痛いし、不安だしねぇ」
それに、初めてだしね。
アリサはてっきり、彼女が出産を怖がっているのだ、と思い
込んでいるようだ。
「うん、それもあるんだけどね。
それよりも…
私、お母さんになる、自信がないんだ」
それは…今まで、誰にも打ち明けたことのない、正直な
気持だった。
アリサはハッとした顔になると
「アカリ…もしかして、やっぱりオバサンのことを?」
皆まで言わずとも、すぐにわかったようだった。
灯里は静かにうなづいた。
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