ダンナ様はエスパー？

第９章 やっぱり、あなたは…？

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「あっ、ありがとうございます」
　灯里はとっさに笑顔を貼り付けると、素直に受け取る。
「いい？ちゃんとするのよ。
　お腹も冷やさないようにね」
大真面目な顔をして言う、お姑さんを見て…
この人はこの人なりに、心配してくれているのだ…と、
灯里は考えた。

「お袋…いい加減にしろよ。
　灯里には、灯里の考えがあるんだから」
久志は日ごろから、思うところがあるのか、キッパリと言う。
　最近とみに、久志は灯里に気を配ってくれているように感じる。
思い出してみると、最近はやけに早く帰って来るし、
検診の時は、出来るだけ付き添ってくれるし、
家事も、当然のように、率先してやってくれるし…
そういえば、育児休暇の申請もした…と聞いたし。
「ねぇ、そんなに休んで、大丈夫なの？」
目をつけられたら、どこかに飛ばされるか、閑職に回されてしまうのでは…
と心配になる。
だが久志は、なんで、という顔をすると
「男だって、取るべきなんだ」
堂々とそう言い切るのだ。
（こんなことをしていて、職場では嫌がられないのだろうか？）
気になる灯里だが…
「それは、灯里が心配することじゃないから」
キッパリとそう言うのだ。
男らしくて、ありがたい…と思う。
だが、まだそういう考え方は、受け入れられていないのではないか…
でも久志は「大丈夫」としか言わない。
　
　それにしても、何かあったのか？
逆に心配になるけれど…
「大丈夫、何も問題はない」
わざと明るく、そう言い張るのであった。