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第9章 やっぱり、あなたは…?
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「面白いこと、言ってもいい?」
いきなり緒方さんは、灯里に向き直る。
「えっ?…えぇ…」
一体、何を言い出すのだろう…と、灯里は緊張の面持ちを浮かべる。
フフッ
思わせぶりに、その女性が笑うと
「実はね、あったの」
灯里の反応を楽しむように、じらしてみせる。
「あったって、何が?」
灯里はチラッとアリサの方を見ると、アリサも頭を振って、肩をすくめる。
そんな二人の顔を見比べると、たっぷり間合いをあけて
「あのね、電話があったの。
灯里たちが来るから、よろしくって」
灯里はキョトンとする。
「誰が?」
「だから、久志くん」
「えっ?」
灯里はアリサを見る。
「言ってない」
灯里のとがめる視線に気付くと
「ないない、私は言ってない」
アリサはあわてて頭を振る。
へっ?
「じゃあ、なに?
とうに気付いていた、ということ?」
思わずアリサが口をはさむと
「そうなるわねぇ」
緒方さんは、にこやかにうなづいた。
「あの、1ついいですか?」
混乱する頭で、どうにか灯里は緒方さんに聞いてみる。
「えぇ、なぁに?」
大きな瞳を、灯里に向ける。
「あの…」
緒方さんのアーモンド形の瞳を見ていると、何だか自分が
ひどく子供っぽく思えてくる。
変な奴だ…と思われないかな?
灯里は何だか、ドキドキしていた。
いきなり緒方さんは、灯里に向き直る。
「えっ?…えぇ…」
一体、何を言い出すのだろう…と、灯里は緊張の面持ちを浮かべる。
フフッ
思わせぶりに、その女性が笑うと
「実はね、あったの」
灯里の反応を楽しむように、じらしてみせる。
「あったって、何が?」
灯里はチラッとアリサの方を見ると、アリサも頭を振って、肩をすくめる。
そんな二人の顔を見比べると、たっぷり間合いをあけて
「あのね、電話があったの。
灯里たちが来るから、よろしくって」
灯里はキョトンとする。
「誰が?」
「だから、久志くん」
「えっ?」
灯里はアリサを見る。
「言ってない」
灯里のとがめる視線に気付くと
「ないない、私は言ってない」
アリサはあわてて頭を振る。
へっ?
「じゃあ、なに?
とうに気付いていた、ということ?」
思わずアリサが口をはさむと
「そうなるわねぇ」
緒方さんは、にこやかにうなづいた。
「あの、1ついいですか?」
混乱する頭で、どうにか灯里は緒方さんに聞いてみる。
「えぇ、なぁに?」
大きな瞳を、灯里に向ける。
「あの…」
緒方さんのアーモンド形の瞳を見ていると、何だか自分が
ひどく子供っぽく思えてくる。
変な奴だ…と思われないかな?
灯里は何だか、ドキドキしていた。
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