ダンナ様はエスパー？

第９章 やっぱり、あなたは…？

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「あら、あなた、大丈夫なの？」
　妙に鼻のきくお隣さんが、いきなり灯里の顔を見て、聞いて来る。
「別に…なにも…」
あわてて答えるけれど、
「あらぁ、そうぉ？」
　久志のことを探ろう…と言い出した瞬間から、
やけに灯里のことも、気になるようだった。

（まいったなぁ～）
　何とか気をそらす方法は、ないものだろうか？
チラチラと周囲をうかがうけれど。
「ね、例の話、考えてくれた？」
　気をそらすどころか、逆にからんできた。
まさか逃げ出すわけにもいかず…
（久志さんって、罪深いなぁ～）
思わず灯里は、ため息をつく。
「あなたって、人がいいから、なにも気付かないかもしれないけれど、
　あの人って、あれで結構、変わっているわよ」
目をランランとさせて、お隣りさんはなぜか、グイグイ体を近付けてくる。
「いえ、大丈夫ですから」
すきを見つけて、ようやく体を離すと…
何とかお隣さんを、振り切ろうとする。
「でも…何かあってからでは遅いから、
　やっぱりよく見て置いた方が、いいわよ！」
　まるで捨てゼリフのように、お隣りさんは言い放った。

　一瞬のすきを見つけて、何とかお隣さんを振り切って、どうにか家の中に
すべり込むと
（ダメだ、このままだと…外にもおちおち出かけられない。
困ったなぁ～と、灯里はため息をつく。

もう少ししたら、アリサたちが、ここに来る予定の時間が迫っていた。