ダンナ様はエスパー？

第8章 私を探さないで…

４１

「ねぇ、いつまでここにいるの？」　
　サヤカは灯里を一瞥すると、さらに重ねて、冷たい口調で言う。
「えっ…」
　やっぱり迷惑だったんだ‥
灯里は言葉を失う。
よく考えれば、わかることなのだ。
（バカだなぁ～）
途端に灯里は、意気消沈する。

　もちろん、自分を歓迎する、とは思ってはいなかったけれど…
まさかいきなり、ここまで言われるとは、さすがに思ってはいなかったのだ。
だけども今は、どこにも行く所がない…
「ごめん…もう少しだけ、置いてくれない？」
仕方なく、灯里は頭を下げる。
何だかすっかり、みじめな気持になり、思わず彼女は涙がこみ上げてくる。
　だがサヤカは、それに対しては、まったく反応を見せない。
ふいに彼女の方を見ると
「灯里…こんなことを、してていいの？
　ダンナさんが、心配しているんじゃあないの？」
早速サヤカに、言われてしまった。
「ね、アリサに連絡を取った？」
さらにはいきなり、気になることをズバリと、言われる。
「アリサ…に？」
戸惑いつつも、サヤカを見返すと、コクリとうなづく。
「ううん…まだ…」
だけど、何でそんなことまで、聞くのだろう…
灯里は不思議に思う。
「ねぇ、なんで？」
今日のサヤカは、なぜだかやけに、聞いて来る。
（こんな人だったっけ？）
まるで知らない人を見るような気がして、灯里は戸惑っていた。