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第7章 あの子を守れ!
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「それは ちょっと…」
情けないけれど、だけど彼女のためになる…とは、
とても思えない。
「どうしてだ?」
だがここで、オメオメと引き下がるわけにも、いかない。
「そんなにかた苦しく考えなくても、いいですよぉ~」
こういう時には、案外神経質なのだ。
「ルームシェアみたいな感覚で」
いつの間に、変えて来たけれど…
そもそも彼女を、1人で留守番させる…ということは、
久志の家にいるのと、何ら変わりがないのでは?と思う。
だが久志は珍しく上機嫌で…
「いやぁ、全然 違います!」
全く引き下がる様子もない。
「詮索好きなお隣さんや…
毒親たちに、悩まされずにすみます」
何とかここは、引き受けてくれ…と、久志は粘る。
「え~っ、でも困る」
灯里のことは、大事な友達だけれど、こればかりは、もろ手を
あげて賛成とは言い難かった。
「うちは狭いし、大体灯里を寝かせるほど、広い場所はないんだ。
寝袋でも買わないと!」
わざとふざけたようなメッセージを、アリサは返す。
「わかりました。
じゃあ、何か心当たりはないですか?」
ようやく久志が、引き下がった。
「ま、それならば、仕方がないかぁ」
アリサからの返事を目にすると、久志は落胆を隠せなかった。
(やはり親友でも…
そこまでは、頼めないのかなぁ)
どうしたものか、と久志は頭を悩ませる。
(アリサさんなら、気心も知れているし、
理想的だと思っていたんだけどなぁ)
つくづく残念だ、と思う。
実家へ、とも思ったが、どちらもあまり、彼女には
優しくはなさそうだ。
「まいったなぁ~」
思わず久志がつぶやくと、
「何がまいったの?」
いきなり灯里の声がする。
「えっ?いや、別に…」
いきなりだったので、みっともないくらいに、うろたえていた…
情けないけれど、だけど彼女のためになる…とは、
とても思えない。
「どうしてだ?」
だがここで、オメオメと引き下がるわけにも、いかない。
「そんなにかた苦しく考えなくても、いいですよぉ~」
こういう時には、案外神経質なのだ。
「ルームシェアみたいな感覚で」
いつの間に、変えて来たけれど…
そもそも彼女を、1人で留守番させる…ということは、
久志の家にいるのと、何ら変わりがないのでは?と思う。
だが久志は珍しく上機嫌で…
「いやぁ、全然 違います!」
全く引き下がる様子もない。
「詮索好きなお隣さんや…
毒親たちに、悩まされずにすみます」
何とかここは、引き受けてくれ…と、久志は粘る。
「え~っ、でも困る」
灯里のことは、大事な友達だけれど、こればかりは、もろ手を
あげて賛成とは言い難かった。
「うちは狭いし、大体灯里を寝かせるほど、広い場所はないんだ。
寝袋でも買わないと!」
わざとふざけたようなメッセージを、アリサは返す。
「わかりました。
じゃあ、何か心当たりはないですか?」
ようやく久志が、引き下がった。
「ま、それならば、仕方がないかぁ」
アリサからの返事を目にすると、久志は落胆を隠せなかった。
(やはり親友でも…
そこまでは、頼めないのかなぁ)
どうしたものか、と久志は頭を悩ませる。
(アリサさんなら、気心も知れているし、
理想的だと思っていたんだけどなぁ)
つくづく残念だ、と思う。
実家へ、とも思ったが、どちらもあまり、彼女には
優しくはなさそうだ。
「まいったなぁ~」
思わず久志がつぶやくと、
「何がまいったの?」
いきなり灯里の声がする。
「えっ?いや、別に…」
いきなりだったので、みっともないくらいに、うろたえていた…
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