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第6章 久志のヒミツ?
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産休…って、男性に対しても、認めてくれるのだろうか。
真剣な顔をして言うので、
「ダメよぉ~そんなの!」
あわてて灯里が、久志の腕をつかんだ。
「だって、久志さん、忙しいのに… 私のために、こんなことをして、
休むなんて」
せっかくこの春、希望の部署に異動になった、と嬉しそうに言ってたのに…
そんなことをして、大丈夫なの?
彼の足手まといにだけは、なってはいけない…
灯里はそう思うのだった。
久志さんにこれ以上、迷惑はかけられない。
さすがの灯里も、何とかせねば、と思うのだが…
本人はいたって、平然としている。
そのことはもう、自分の中では、決定事項なのだろう。
「遠慮しなくても、大丈夫だよ!
たまには、休みたかったし」
灯里に気をつかったのだろう…
久志の性格だったら、そんな理由で休むことなど、申請したりは
しないだろう…
灯里は申し訳ない気持ちで、一杯になった。
結局は、在宅ワークをする、という形でおさまり、2人はホッと一安心した。
「灯里はね、気を使わなくてもいいからね!
ボクだって、家事くらいは、出来るんだよ!」
安心させようと、にこやかにウィンクしてみせる。
「今の時代はね、男だって、家事をしないとダメなんだよ」
明るく言ってのけるけれど…
「たまには、ゆっくりしなよぉ~
こんな機会がないと、しないんだから」
そんな風に言われると、たとえウソでも、とても嬉しい。
(久志さんだったら、きっとなんでも器用に、
こなすんだろうなぁ~)
灯里は、全く不安そうな様子がない。
「そうなの?」
久志を見つめると、「うん」とうなづく。
「帰ったら、ボクの腕前を見せてあげよう」
やけに自信満々に言う。
「ワッ、ホント?」
「もちろん!」
大きくうなづいた。
真剣な顔をして言うので、
「ダメよぉ~そんなの!」
あわてて灯里が、久志の腕をつかんだ。
「だって、久志さん、忙しいのに… 私のために、こんなことをして、
休むなんて」
せっかくこの春、希望の部署に異動になった、と嬉しそうに言ってたのに…
そんなことをして、大丈夫なの?
彼の足手まといにだけは、なってはいけない…
灯里はそう思うのだった。
久志さんにこれ以上、迷惑はかけられない。
さすがの灯里も、何とかせねば、と思うのだが…
本人はいたって、平然としている。
そのことはもう、自分の中では、決定事項なのだろう。
「遠慮しなくても、大丈夫だよ!
たまには、休みたかったし」
灯里に気をつかったのだろう…
久志の性格だったら、そんな理由で休むことなど、申請したりは
しないだろう…
灯里は申し訳ない気持ちで、一杯になった。
結局は、在宅ワークをする、という形でおさまり、2人はホッと一安心した。
「灯里はね、気を使わなくてもいいからね!
ボクだって、家事くらいは、出来るんだよ!」
安心させようと、にこやかにウィンクしてみせる。
「今の時代はね、男だって、家事をしないとダメなんだよ」
明るく言ってのけるけれど…
「たまには、ゆっくりしなよぉ~
こんな機会がないと、しないんだから」
そんな風に言われると、たとえウソでも、とても嬉しい。
(久志さんだったら、きっとなんでも器用に、
こなすんだろうなぁ~)
灯里は、全く不安そうな様子がない。
「そうなの?」
久志を見つめると、「うん」とうなづく。
「帰ったら、ボクの腕前を見せてあげよう」
やけに自信満々に言う。
「ワッ、ホント?」
「もちろん!」
大きくうなづいた。
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