172 / 462
第6章 久志のヒミツ?
23
しおりを挟む
そこまで義父に謝られても、困る…とかえって気を遣うものだ。
お願い、顔を上げて…とひそかにそう思うけれど、
そのままの姿勢で
「いや、うちのが、君に迷惑をかけて…」
さらに深く、頭を垂れる。
何で^お義父さんが謝るの?
不審に思い、
「あのぉ~おかあさんは?」
おそるおそる灯里は聞く。
するとさらに顔をゆがめて、
「アイツ、帰るなり…キミに悪いことをした、
とても、顔向け、出来ない…と散々大騒ぎして、
今は寝ているよ」
苦々しい口調でそう言うと
「本当に、申し訳ない」
再び頭を下げる。
「いえ、そんな…
頭を上げてください」
何だか気まずい雰囲気になり、もはやアカリは懇願するように言う。
だが義父は、そんなことに気付く様子もない。
「アイツは…悪いヤツじゃないんだが、
どうも周りが見えなくなるようだ。
今までにも、色んな人に、迷惑をかけてきたようなんだ」
いつもは無口な義父が、吐き捨てるように言うのも、
何だかなにかが違うような、気がしていた。
(そんな話…聞きたくなかった)
灯里はそう思う。
(可哀想な、義母さん)
1番身近にいる人に、こんな風に言われるなんて!
(自分は苦手ではあるけれど)
灯里にはやはり、お姑さんが哀れで、とても寂しい人に思えて来た。
お願い、顔を上げて…とひそかにそう思うけれど、
そのままの姿勢で
「いや、うちのが、君に迷惑をかけて…」
さらに深く、頭を垂れる。
何で^お義父さんが謝るの?
不審に思い、
「あのぉ~おかあさんは?」
おそるおそる灯里は聞く。
するとさらに顔をゆがめて、
「アイツ、帰るなり…キミに悪いことをした、
とても、顔向け、出来ない…と散々大騒ぎして、
今は寝ているよ」
苦々しい口調でそう言うと
「本当に、申し訳ない」
再び頭を下げる。
「いえ、そんな…
頭を上げてください」
何だか気まずい雰囲気になり、もはやアカリは懇願するように言う。
だが義父は、そんなことに気付く様子もない。
「アイツは…悪いヤツじゃないんだが、
どうも周りが見えなくなるようだ。
今までにも、色んな人に、迷惑をかけてきたようなんだ」
いつもは無口な義父が、吐き捨てるように言うのも、
何だかなにかが違うような、気がしていた。
(そんな話…聞きたくなかった)
灯里はそう思う。
(可哀想な、義母さん)
1番身近にいる人に、こんな風に言われるなんて!
(自分は苦手ではあるけれど)
灯里にはやはり、お姑さんが哀れで、とても寂しい人に思えて来た。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
わたしの婚約者は学園の王子さま!
久里
児童書・童話
平凡な女子中学生、野崎莉子にはみんなに隠している秘密がある。実は、学園中の女子が憧れる王子、漣奏多の婚約者なのだ!こんなことを奏多の親衛隊に知られたら、平和な学校生活は望めない!周りを気にしてこの関係をひた隠しにする莉子VSそんな彼女の態度に不満そうな奏多によるドキドキ学園ラブコメ。
葛城依代の夏休み日記~我が家に野良猫がきました~
白水緑
ライト文芸
一人ぼっちの夏休みを過ごす依代は、道端で自称捨て猫を拾った。
二人は楽しい共同生活を送るが、それはあっという間に終わりを告げる。
――ひと夏の、儚い思い出。
異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」
マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。
目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。
近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。
さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。
新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。
※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。
※R15の章には☆マークを入れてます。
Black/White
RU
ライト文芸
◎あらすじ代わりの人物紹介
ロイ・ベッティ
本編の主人公。
作者の中二的ナニカを凝縮させた、受難なチートキャラ。
物語開始時点での年齢は12歳ぐらい。出生がはっきりしていないので、正確な年齢は本人も知らない設定。(中二的ナニカ例1)
陶磁器のような白い肌、宝石のようなペイルグリーンの瞳、艷やかな黒髪、赤い唇…とゆー、白雪姫が緑色の目になったような少年。(中二的ナニカ例2)
その美貌故に、好色家なモンテカルロ氏に玩具にされ、物覚えが良かったので色々仕込まれ、暗殺術に長けている。(中二的ナニカ例3)
アレックス・グレイス
本編の核になる "ヒーロー"。
ライトブラウンの髪と、色素の薄いアイスブルーの瞳を持つ、銀縁眼鏡のイケメン。
潜入時の偽名はヴァレンタイン。20代後半(まだ30にはなってない)。
階級は警部補。クールぶってる人情家。
ハロルド "ハリー"・マクミラン
アレックスの後輩刑事。階級は巡査部長。
潜入時の偽名はラザフォード。金髪碧眼とゆー素材だけならイケメンなのに、なぜかフツメン。
20代前半だけど妻帯者。アレックスの妹と結婚していて、近く子供も生まれる。
本編では、一度たりとも "ハロルド" と呼ばれた事が無い。
性格が優しいので、刑事としてはギリギリ及第点。
モンテカルロ
好色家なマフィアのドン…とゆー設定のハズだけど、ビミョ~に "お代官様" に取り入る悪徳商人的な色が濃くなってるキャラ。
小児性愛者だけど、若いオネーチャンもいける "博愛主義者"。
愛人には基本的に薬物を与え、飽きたら人身売買や売春に "払い下げ" して、次の愛人を作る。
ただし、ロイだけはあまりにも便利(暗殺はもちろん、その他雑用をさせるのに)だったので、好みの年齢から過ぎてしまっても手元に置いている。
◎注意
こちらの作品は、1985年〜2002年までの間、作者が参加していたサークルに掲載していた物の一つです(掲載時期は前半だったはず)。
海外ドラマ沼にハマる前(とゆーか予兆?)時代に、西海岸物へのアコガレと、ティーンエイジの情熱のみで書かれた作品ですので、色々ビミョ~な部分は生温い目で流してください。
こちらの作品は、ベースがBL(主人公であるロイは、アレックスが好き)ですが、NL(ハリーは妻帯者)要素も含まれます。
BLに女性キャラはいらぬと思っていらっしゃる方には、全く向きません。
作者がこれを執筆していた年齢とか、掲載していたサークル誌への気遣い(?)とかイロイロあって、濡れ場はありません(匂わせ程度は有り)。
軽微な暴力表現と、欠損表現が含まれます。
表紙絵は葵浩様。
フリースペースに、サイトのリンクを貼ってあります。
大江戸ロミオ&ジュリエット
佐倉 蘭
歴史・時代
★第2回ベリーズカフェ恋愛ファンタジー小説大賞 最終選考作品★
公方(将軍)様のお膝元、江戸の町を守るのは犬猿の仲の「北町奉行所」と「南町奉行所」。
関係改善のため北町奉行所の「北町小町」志鶴と南町奉行所の「浮世絵与力」松波 多聞の縁組が御奉行様より命じられる。
だが、志鶴は父から「三年、辛抱せよ」と言われ、出戻れば胸に秘めた身分違いの恋しい人と夫婦になれると思い、意に添わぬ祝言を挙げる決意をしたのだった……
Trigger
猫蕎麦
ライト文芸
表題作Triggerを先頭に、ちょっとした短編を書いていきます。
(※英語版は素人のもので大量に間違いがあると思われますがご了承ください。それと、日本語版と英語版では少し表現が変わってます。しかし基本は英語を訳しているので、日本語だと不自然な表現が多いです。ご了承ください。)
ーTriggerー
ちょっとヤバい能力を持つ少年のある朝のお話。
英語版と日本語版あります。
ーPlan Aー
病室で目覚めた主人公ジェレットは一切の記憶を失っていた……!
英語版(途中まで)と日本語版あります。
─Contrail─
いつもの朝。スクールバスが崖から転落し、ニーナだけが生き残った。だが落ちた先は、血塗られた家だった。
伏線もあるので、じっくり読んでみるとより面白いかもです!感想やアドバイスください。
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
君の夏になりたい
辰巳劫生
ライト文芸
月曜日金曜日の週2回午前10時更新です。
過去から飛んで現代に来てしまった男子高校生"葵葉"はタイムスリップした先である女子高生に拾われ、そこで生活をする事になる。それを見た女子高生の幼なじみ男子"日々希"の気持ちが少しずつ揺れ動く。60年前の過去で行方が消えた父親の記憶が少しずつ甦るのはなぜ…60年前の親友が現代に…?過去に戻るための鍵はなんなんだ…
時を超えた恋愛物語です😊
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる