ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第6章  久志のヒミツ?

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「えっ?ちょっと、あなた どうしたの?」
 さすがにお姑さんはあわてる。
「そんな所にしゃがみ込んだら、邪魔になるでしょ?」
 彼女の甲高い声が、キンキンと灯里の耳に突き刺さる。
灯里の額には、汗が際限なく湧きだすように、ダラダラと垂れてくる。
(ヤバイ!もう、ダメだ!)
ガクン、と膝が折れると、そのまま倒れ込んだ。
倒れる直前、向こうの方から、人がかけてくるのが、チラリと見えた。

「もしもし、大丈夫ですか?」
 遠ざかりつつある意識の中で、ボンヤリとその人の顔が見えた。
「久志さん…助けて」
そうつぶやく。
「えっ、なに?ヒサシさん?」
その言葉に、答える余裕もなく…灯里はその人の腕の中に、倒れ込んだ。
「アカリさん!何やっているの?」
ユサユサとお姑さんは、彼女の身体を揺らす。
「動かさないで!ちょっと!救急車!」
お姑さんの声と、その女性の声が入り混じる。
それからすぐに、目の前に幕がおりた感じがして…
ついに何もかもが、闇に包まれて、見えなくなった。


 ボソボソと声が聞こえる。
(ここはどこ?)
灯里はゆっくりと、目を開けた。
かすかに消毒薬のにおいがする。
そして白い部屋の中の、固いベッドの上に、横になっているのに
気が付いた。
ゆっくりと首を回す。
白い壁と、フワッとベージュ色のカーテンの上部が、メッシュになっている、
カーテンが揺れる。
「あっ、気が付いた?」
 見知らぬ女性が、こちらを向く。
(えっ、だれ?)
そう思うけれど、すぐに「あっ」と気が付く。
(この人…私に駆け寄ってくれた人だ!)
こんな偶然って、ある?
灯里はひどく驚いていた。
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