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第6章 久志のヒミツ?
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このところの灯里は、機嫌よくしていたかと思うと、急に
ふさぎ込んだり、目に涙を浮かべたり、
ため息をついたりするのだ。
本人に自覚があるのかどうかは、わからないけれど、
久志としては、何かあったのかなぁ…と気にはなっていたのだ。
「ホルモンの関係なんですかねぇ。
突然気が変わったり、元気がなくなったりして…」
心配そうに、アリサは言う。
いい友達だ…
自分は女性ではないから、(女性でなくても)
妊娠した女性の気持ちが、今一つよくわからない。
言い訳だ、と言われそうではあるけれど、
こういうデリケートな問題は、どうもわからない…久志は思う。
もちろん、彼女に責められているわけではないけれど…
何となく灯里に対して、こんなつらい思いをさせて、
申し訳ない…という引け目も感じていたりする。
「久志さんって、優しいんですね!」
そんな様子を聞いて、どうやらアリサの心を動かしたらしく、
ホッとした口調になる。
「いいなぁ~灯里はホント、幸せな人だなぁ」
羨ましそうに言う。
どうやら本気で、そう思っているようで、むしろ恥ずかしくなる。
「ボクは、そんな大そうな人間じゃあないです」
きっぱりとそう言う。
(この人はなんで、電話をかけてきたんだろう?)
その真意がわからずに、しばし久志は考え込んでいた。
「で、何かあったんですか?」
社交辞令はいいから、本当のことを教えてくれ、と
ややじれたように、久志は続きを促す。
すると受話器の向こうから、ハッと息をのむ空気があり、
「いやぁ~私の気のせいかもしれないし!」
少し言いにくそうに、アリサが言った。
ふさぎ込んだり、目に涙を浮かべたり、
ため息をついたりするのだ。
本人に自覚があるのかどうかは、わからないけれど、
久志としては、何かあったのかなぁ…と気にはなっていたのだ。
「ホルモンの関係なんですかねぇ。
突然気が変わったり、元気がなくなったりして…」
心配そうに、アリサは言う。
いい友達だ…
自分は女性ではないから、(女性でなくても)
妊娠した女性の気持ちが、今一つよくわからない。
言い訳だ、と言われそうではあるけれど、
こういうデリケートな問題は、どうもわからない…久志は思う。
もちろん、彼女に責められているわけではないけれど…
何となく灯里に対して、こんなつらい思いをさせて、
申し訳ない…という引け目も感じていたりする。
「久志さんって、優しいんですね!」
そんな様子を聞いて、どうやらアリサの心を動かしたらしく、
ホッとした口調になる。
「いいなぁ~灯里はホント、幸せな人だなぁ」
羨ましそうに言う。
どうやら本気で、そう思っているようで、むしろ恥ずかしくなる。
「ボクは、そんな大そうな人間じゃあないです」
きっぱりとそう言う。
(この人はなんで、電話をかけてきたんだろう?)
その真意がわからずに、しばし久志は考え込んでいた。
「で、何かあったんですか?」
社交辞令はいいから、本当のことを教えてくれ、と
ややじれたように、久志は続きを促す。
すると受話器の向こうから、ハッと息をのむ空気があり、
「いやぁ~私の気のせいかもしれないし!」
少し言いにくそうに、アリサが言った。
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