ダンナ様はエスパー？

第4章 まさかの奇跡…

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　　だけどどうしても…お姑さんには言い出せずにいる。
もしも里帰り出産したいと言ったら、おそらく
「私じゃ、ダメなの？」とか、
「なんでそんな大切なこと…私に言ってこないのよ」
と、きっとへそを曲げて、大騒ぎをするだろう…と、
目に見えていたからだ。
何をそんなにこだわっているのかは、灯里にはうかがい知ることは
出来ないけれど、どうやら自分の手元に置いておきたいと思っているようだった。

　
　だが…実を言うと、母親は久志に釘を刺されていたのだ。
「アカリは、母さんとは違うからね！
　なんでも自分の思い通りにしようとは、してはいけないよ」
　今までに、親に歯向かうとか、こんな風に意見することなどなかったので…
これは相当彼女にとっては、ショックだったようだ。
もちろん母親をいじめるつもりはなくて、灯里を思ってのことだったのだけど…
そこまですることに、母親は傷付いたのだ。
「なんで息子のアンタに…そこまで言われないといけないのよぉ」
悲しそうにそう訴える。
彼女からしてみれば、若い嫁に対して、よかれと思ってしているというのに…
どうやらわかってもらえないようだ。
その理不尽さに、ひどく傷ついたのだ。
そうしてそれが…どうも余計なお世話だった、とうすうす感じ始めていた。
　それでもさらに、
「アカリはおとなしいから、自分からは言えないんだ。
　母さんも少しは、察してやってよ」
そこまでは言えても…
さすがに自分の母親に、早く家に帰れ…とはやはり言えないようだ。