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第3章 彼は無敵なダンナ様!
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「何がですか?」
動揺を表に見せないようにと、灯里はポーカーフェイスを決め込んで、
スルーしようとするけれど…
「何がって、あの人!」
無理しなくてもいいのよ、とお隣さんのニヤニヤ笑いが止まらない。
内心、どうしよう…と、灯里は焦りを覚える。
「そうでしょ?」
私はなんでも、お見通しよ…
そう言わんばかりに、顔を突き出す。
それに気付くと、灯里はもうダメだ、降参だ…とうなだれた。
ようやくエレベーターのボタンを押すと、スルスルとそのままドアが開く。
黙ったまま、灯里が乗り込むと、当然という顔をして、
お隣さんも乗って来た。
(やっぱり、ついて来た)
もう逃れられない…
さすがの灯里も観念した。
「あぁいう人は、さっさと帰ってもらった方が、いいわよ」
訳知り顔でそう言うと、憐れむように灯里を見る。
そう簡単に言うけれど…灯里はやっぱり、困ったように頭をかしげる。
もちろん、理屈はわかる…
だけど、どうしたらいいのか?
「最初はひたすら、いい顔をしていても…
あぁいうタイプは、総じて段々と問題を持ってくるわよ!」
まるで灯里の反応を楽しんでいるのか、その人は大きくうなづきながらも、
目をランランと光らせて見ている
「じゃあ、どうしたらいいんですか?
帰る様子が、全くないのですが」
半ばヤケクソのようになり、ついに打ち明ける。
すると彼女は、よく当たる占い師か、カウンセラー気取りで、
「そのうち飽きて…自分から帰るわよ」
もっともらしく答える。
「それ、本当ですか?」
思わずすがりつくような目で、灯里は見た。
動揺を表に見せないようにと、灯里はポーカーフェイスを決め込んで、
スルーしようとするけれど…
「何がって、あの人!」
無理しなくてもいいのよ、とお隣さんのニヤニヤ笑いが止まらない。
内心、どうしよう…と、灯里は焦りを覚える。
「そうでしょ?」
私はなんでも、お見通しよ…
そう言わんばかりに、顔を突き出す。
それに気付くと、灯里はもうダメだ、降参だ…とうなだれた。
ようやくエレベーターのボタンを押すと、スルスルとそのままドアが開く。
黙ったまま、灯里が乗り込むと、当然という顔をして、
お隣さんも乗って来た。
(やっぱり、ついて来た)
もう逃れられない…
さすがの灯里も観念した。
「あぁいう人は、さっさと帰ってもらった方が、いいわよ」
訳知り顔でそう言うと、憐れむように灯里を見る。
そう簡単に言うけれど…灯里はやっぱり、困ったように頭をかしげる。
もちろん、理屈はわかる…
だけど、どうしたらいいのか?
「最初はひたすら、いい顔をしていても…
あぁいうタイプは、総じて段々と問題を持ってくるわよ!」
まるで灯里の反応を楽しんでいるのか、その人は大きくうなづきながらも、
目をランランと光らせて見ている
「じゃあ、どうしたらいいんですか?
帰る様子が、全くないのですが」
半ばヤケクソのようになり、ついに打ち明ける。
すると彼女は、よく当たる占い師か、カウンセラー気取りで、
「そのうち飽きて…自分から帰るわよ」
もっともらしく答える。
「それ、本当ですか?」
思わずすがりつくような目で、灯里は見た。
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