56 / 462
第2章 謎の隣人VSお姑さん!
34
しおりを挟む
「ホント?」
疑うような目付きで、久志は見る。
何となく不自然だ、と思ったのか、うすうすは気付いていたのだろう。
(それなら、あの時起きてくれば、よかったのに)
そう思うけれど。
だけどこの人は、なぜだか抜群にカンが鋭い。
その目で、見透かされてしまいそうな…
そんな気がする。
「ね、ご飯できているわよ」
ごまかすように言う。
「へぇ~いいにおい」
嬉しそうに久志は、鼻をひくひくさせると、ゴキゲンな顔になった。
それにしてもこの絶妙な、タイミング…
どうして?
灯里は不思議に思う。
大した事、ないよ…とばかりに、久志は何てことない、という
顔になると、
「トイレに起きたらね、灯里が隣にいなかったから…
てっきりどこかへ行っちゃったのかと、思ったよ」
そう言い訳をするけれど…
もしかしたら、気付いていたんじゃあないのか?
灯里はひそかに思っていた。
「父さんに、連絡したからね」
自分の母親に向かって、キッパリと宣言する。
お姑さんは、急にブスッとした顔になり、
「余計なことを!
放っておいて欲しかったのに…」
悔しそうに息子の顔を見つめる。
「アンタも灯里さんに、ビシッと言わなくちゃあ…
なめられちゃうわよ」
彼女の言葉に、さすがに久志も、キッと険しい顔になり、
実の母親の顔を、苦々しいまなざしで見守っていた。
(久志さん、やっぱり優しい!)
灯里はほれぼれとした顔で、久志の顔をじぃっと見上げる。
いつも穏やかで、優しい彼は、会社でも結構人気者なのだ。
疑うような目付きで、久志は見る。
何となく不自然だ、と思ったのか、うすうすは気付いていたのだろう。
(それなら、あの時起きてくれば、よかったのに)
そう思うけれど。
だけどこの人は、なぜだか抜群にカンが鋭い。
その目で、見透かされてしまいそうな…
そんな気がする。
「ね、ご飯できているわよ」
ごまかすように言う。
「へぇ~いいにおい」
嬉しそうに久志は、鼻をひくひくさせると、ゴキゲンな顔になった。
それにしてもこの絶妙な、タイミング…
どうして?
灯里は不思議に思う。
大した事、ないよ…とばかりに、久志は何てことない、という
顔になると、
「トイレに起きたらね、灯里が隣にいなかったから…
てっきりどこかへ行っちゃったのかと、思ったよ」
そう言い訳をするけれど…
もしかしたら、気付いていたんじゃあないのか?
灯里はひそかに思っていた。
「父さんに、連絡したからね」
自分の母親に向かって、キッパリと宣言する。
お姑さんは、急にブスッとした顔になり、
「余計なことを!
放っておいて欲しかったのに…」
悔しそうに息子の顔を見つめる。
「アンタも灯里さんに、ビシッと言わなくちゃあ…
なめられちゃうわよ」
彼女の言葉に、さすがに久志も、キッと険しい顔になり、
実の母親の顔を、苦々しいまなざしで見守っていた。
(久志さん、やっぱり優しい!)
灯里はほれぼれとした顔で、久志の顔をじぃっと見上げる。
いつも穏やかで、優しい彼は、会社でも結構人気者なのだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
日本はスーパーヒーローを求めているようです
町島航太
ライト文芸
日本全国に神出鬼没で現れる伝説のヒーローストロング・ソルジャー。彼が確認されなくなってから8年が過ぎ、日本は彼のいない時代に戻る。しかし、ある日を栄えに反社会グループの活動が活発になり、警察は手に負えなくなっていく。そんな中、新人刑事の森島茜はストロング・ソルジャーの力を借りるべく捜査を始める。
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
北野坂パレット
うにおいくら
ライト文芸
舞台は神戸・異人館の街北野町。この物語はほっこり仕様になっております。
青春の真っただ中の子供達と青春の残像の中でうごめいている大人たちの物語です。
『高校生になった記念にどうだ?』という酒豪の母・雪乃の訳のわからん理由によって、両親の離婚により生き別れになっていた父・一平に生まれて初めて会う事になったピアノ好きの高校生亮平。
気が付いたら高校生になっていた……というような何も考えずにのほほんと生きてきた亮平が、父親やその周りの大人たちに感化されて成長していく物語。
ある日父親が若い頃は『ピアニストを目指していた』という事を知った亮平は『何故その夢を父親が諦めたのか?』という理由を知ろうとする。
それは亮平にも係わる藤崎家の因縁が原因だった。 それを知った亮平は自らもピアニストを目指すことを決意するが、流石に16年間も無駄飯を食ってきた高校生だけあって考えがヌルイ。脇がアマイ。なかなか前に進めない。
幼馴染の冴子や宏美などに振り回されながら、自分の道を模索する高校生活が始まる。 ピアノ・ヴァイオリン・チェロ・オーケストラそしてスコッチウィスキーや酒がやたらと出てくる小説でもある。主人公がヌルイだけあってなかなか音楽の話までたどり着けないが、8話あたりからそれなりに出てくる模様。若干ファンタージ要素もある模様だが、だからと言って異世界に転生したりすることは間違ってもないと思われる。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
わたしの婚約者は学園の王子さま!
久里
児童書・童話
平凡な女子中学生、野崎莉子にはみんなに隠している秘密がある。実は、学園中の女子が憧れる王子、漣奏多の婚約者なのだ!こんなことを奏多の親衛隊に知られたら、平和な学校生活は望めない!周りを気にしてこの関係をひた隠しにする莉子VSそんな彼女の態度に不満そうな奏多によるドキドキ学園ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる