ダンナ様はエスパー?

daisysacky

文字の大きさ
上 下
53 / 462
第2章  謎の隣人VSお姑さん!

   31

しおりを挟む
(なんで私が、こんな目に…?)
 今もなお、スヤスヤと寝息をたてて、気持ちよさそうに眠っている
久志のことを、少しうらめしく思った。
(でも、あともう少しの辛抱よ!
 ガンバレ、わたし!)
 それでも自分を鼓舞し、何とか気を取りなおすのだった。

「あなた…女はやはり、身だしなみをキチンとしなくては」
そう言うと、お姑さんは鋭い目つきで灯里を見ると…
はぁ~とため息をついた。
「あなたねぇ…幾つ?」
いきなり険しい表情で、灯里に聞くと…その目付きにたじろぎ、
「えっとぉ~あのぉ~」
彼女はモジモジしてしまう。
昨日はあんなにしおれていたお姑さんも、一晩たったらすっかり元気になって、
早速ジロリと灯里を見る。
「まぁ、いいわ。
 こんなお嫁さん…久志が可哀そう」
ため息とともに、ひと言つぶやいた。
 聞き捨てならないなぁ~
 どういう意味?
そう灯里は思ったけれど…
元来争いごとは苦手な彼女。
またもめるのが、面倒だし、嫌なので
「すみません」
殊勝にも、あっさりと頭を下げた。
 こうなったら、トコトンお姑さんの言うことを聞かないことには、
納得してくれないだろう…
なんで、こんなことに?
灯里はうらめしく思うけれども、そこはグッとこらえて、
ヒサシさんのためだ!
頑張らなくちゃ!
そう自分に言い聞かせた。
(あと少しの辛抱よ!
 きっとお義父さんが、迎えに来てくれるはずよ)
呪文のように、思い浮かべる。
そう思わないと、この状況…やっていけない、と思ったのだ。

 とにかくせっかく早起きを(強引に)したのだから、
この際、言われた通りにしよう…
お姑さんの顔を見ると、つい文句の1つや2つ、言いたくなるけれど、
ここはグッとこらえて、おとなしくキッチンへと向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

落花流水、掬うは散華―歴史に名を残さなかった新選組隊士は、未来から来た少女だった―

ゆーちゃ
ライト文芸
京都旅行中にタイムスリップしてしまった春。 そこで出会ったのは壬生浪士組、のちの新選組だった。 不思議な力のおかげで命拾いはしたものの、行く当てもなければ所持品もない。 あげく剣術経験もないのに隊士にされ、男装して彼らと生活をともにすることに。 現代にいた頃は全く興味もなかったはずが、実際に目にした新選組を、隊士たちを、その歴史から救いたいと思うようになる。 が、春の新選組に関する知識はあまりにも少なく、極端に片寄っていた。 そして、それらを口にすることは―― それでも。 泣いて笑って時に葛藤しながら、己の誠を信じ激動の幕末を新選組とともに生きていく。  * * * * * タイトルは硬いですが、本文は緩いです。 事件等は出来る限り年表に沿い、史実・通説を元に進めていくつもりですが、ストーリー展開上あえて弱い説を採用していたり、勉強不足、都合のよい解釈等をしている場合があります。 どうぞ、フィクションとしてお楽しみ下さい。 この作品は、小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。 「落花流水、掬うは散華 ―閑話集―」も、よろしくお願い致します。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/807996983/195613464 本編では描ききれなかった何でもない日常を、ほのぼの増し増しで書き綴っています。

海外ドラマにありそうな展開を詰め込んだ小説 ANDREW PARKER

kate
ライト文芸
海外ドラマの中でも大好きな刑事ドラマやサスペンスドラマにありそうな展開を詰め込んだ小説です。もはや私の性癖みたいなものが詰め込まれている物語です。ぜひお楽しみ下さい。 *この作品は5年前に書いたものをリライトしたものです。 あらすじ ある日起きたら指名手配犯。主人公アンドリュー・パーカーは事件を解決するため、奔走する。

ペンション『オクトゴーヌ』再生計画

谷内 朋
ライト文芸
創業五十年を迎えたものの、経営者の高齢化によって閉館が決まっていたペンション『オクトゴーヌ』 そこに最後の客としてやって来た若い男性に興味を示し、閉館を撤回して後継を託す。 それから一年半後、先代経営者が亡くなって程なくリニューアルオープンを迎え、様々な人々と関わり合いながら少しずつ地域に根付いていく。 他サイトでも掲載中です。 Copyright(C)2019-谷内朋

一条春都の料理帖

藤里 侑
ライト文芸
一条春都の楽しみは、日々の食事である。自分の食べたいものを作り食べることが、彼にとっての幸せであった。時にはありあわせのもので済ませたり、誰かのために料理を作ってみたり。 今日も理想の食事を追い求め、彼の腹は鳴るのだった。 **** いつも読んでいただいてありがとうございます。 とても励みになっています。これからもよろしくお願いします。

氷の貴婦人

恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。 呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。 感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。 毒の強めなお話で、大人向けテイストです。

日本はスーパーヒーローを求めているようです

町島航太
ライト文芸
日本全国に神出鬼没で現れる伝説のヒーローストロング・ソルジャー。彼が確認されなくなってから8年が過ぎ、日本は彼のいない時代に戻る。しかし、ある日を栄えに反社会グループの活動が活発になり、警察は手に負えなくなっていく。そんな中、新人刑事の森島茜はストロング・ソルジャーの力を借りるべく捜査を始める。

Trigger

猫蕎麦
ライト文芸
表題作Triggerを先頭に、ちょっとした短編を書いていきます。 (※英語版は素人のもので大量に間違いがあると思われますがご了承ください。それと、日本語版と英語版では少し表現が変わってます。しかし基本は英語を訳しているので、日本語だと不自然な表現が多いです。ご了承ください。) ーTriggerー ちょっとヤバい能力を持つ少年のある朝のお話。 英語版と日本語版あります。 ーPlan Aー 病室で目覚めた主人公ジェレットは一切の記憶を失っていた……! 英語版(途中まで)と日本語版あります。 ─Contrail─ いつもの朝。スクールバスが崖から転落し、ニーナだけが生き残った。だが落ちた先は、血塗られた家だった。 伏線もあるので、じっくり読んでみるとより面白いかもです!感想やアドバイスください。

もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、騎士見習の少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。

処理中です...