ダンナ様はエスパー？

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第2章　　謎の隣人VSお姑さん！

　　　２９

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「とにかく迎えに来て、謝るんだぞ」
　一応久志が言い含めていたものの…
果たしてどうなるのかは、わからない。
　一方当事者のお姑さんの方も、
「私は悪くない。
　あんなワカランチンなんて、放っとけばいい」
かなり激しい口調で言う。
（一体、何があったんだ？）
それに関しては、父親も、母親も思い出したくないのか、
口は閉ざしたまま何も言わない。
だが両者は一歩も譲らず…
（まいったなぁ）
新たな火種を抱えるのだった。
だがこのままでは困る！
どっちにしろ、どうにかせねば…と、灯里は焦っていた。
久志よりも、普段家のいる時間の多い灯里の方が、とにかく
分が悪いのだ。

「アカリ、ごめん！
　ホントに何とか帰すから！」
両手を合わせ、久志は深々と頭を下げる。
それでも一応、ブツクサと言う父親を、何とか説得し、
うまくねじ伏せたものの…
前途多難な暗雲が、立ち込めていた。
（久志さんの、神通力でどうにかして！）
心の中で、ひたすら灯里は願っていた。
「頼むよ、父さん！」
結局は自分の父親に折れてもらうよう、久志が頼み込み、
ようやく翌日迎えに来る…ということで、一件落着となった。

　バタンバタン
キッチンの戸棚を開けている音がする。
（久志さん？ずいぶん早起きなのね？）
低血圧の灯里は…目をつむったまま、自分の隣を手で探る。
ポンポン…
確かに、隣には久志が横になっているようだ。
（そんなこと、ないか…そうよね？）
寝ぼけたまま、再び布団をあごまで引き上げると…
今度は、コンコン…
ドアをノックする音が聞こえた。

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