ダンナ様はエスパー？

第1章 甘い生活？

４

　　神様、仏様、久志様！
　ホントにありがたい！
　大好きなチョコチップクッキーを、ぽりぽりとかじりながら、コーヒーを飲む。
雨が降ってきたから、買い物に行く気がしない…
（どうしよう？）
あれから1時間…
グズグズしていると、突然
ピンポーン
インターフォンが鳴った。
（だれ？）
親友のアリサが来る、という約束など、今日はしていない…
（まさか、ママ？）
ヤバイ、掃除をしていない！
途端に気分が一気に、どんよりと落ち込んでくる…
　すると再び
ピンポン、ピンポン
ピンポーン！
いい加減、早く出ろと、3連打されてしまった。

（しかたない…）
　のろのろと腰を上げる。
とりあえず、インターフォンをのぞくと、見覚えのある姿はここにはなかった。
（あれ？あの人は、だれ？）
全く見知らぬ人が、立っていた。
　そういえば…久志さんが言っていた。
『宗教とか、布団とかセールスや勧誘の人が来るから、
　知らない人が来たら、無視すればいいよ』
まるで子供のお留守番だな、と思うけれども、一応久志さんの言う通り
出るのはやめようと、思う。

ピンポンピンポン
また鳴るけれど、今度は灯里は耳をふさぐ。
しばらくすると静かになったので、あきらめてくれたのか…
と、ホッとして、再びテレビを見ていると、
今度は　ドンドンドン！
ドアを直接ノックされた。
（えっ、うそ！）
灯里は、口を押さえた。

「ちょっとぉ～山野さん！
　いるんでしょぉ？
　あけなさいよぉ」
突然大きな声が、響いて来た。