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第3章 夢のカケラ
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「さぁ~これからは、あなたにはしてもらわないと、いけない
ことがある」
意味あり気にそう言うと、魔法使いは空に向かってゆっくりと、
杖でグルグルと円を描く。
(何をしているの?)
柚はそう思うけれど…言葉が出て来ない。
ふいに、円の中心が光に満ちて、渦を描き出した。
(これから、何が始まるの?)
魔法使いの杖が動くたびに、それに合わせるようにして、光の輪が
グングン大きく広がっていく。
まるで鍋をかき回すように、とても自然な恰好で、ひたすら空を
かき回す。
「さぁ、あなたは…これから出会う人と、仲良くなりなさい。
きっと…いい道連れになってくれるはずだから」
おごそかな声が、聞こえてくる。
おばあさんは?
振り返ると…いつの間にか柚は、円の中心に立っていた。
それはまるで、かごめかごめの中にいる女の子のようだ。
周りを光の渦に取り囲まれて…
ポツンと一人、取り残されたような、不思議な感覚だった。
「えっ?ちょっと!おばあさん!」
たまらず柚は、声を張り上げる。
(ここは、どこ?)
さっきは、自分の部屋にいたはずなのに。
「え~っ、ちょっと、誰か!」
いつの間にか、変な所に連れて来られてしまった。
(やっぱり、あの人は…魔法使い?)
呆然とする柚なのだった。
ことがある」
意味あり気にそう言うと、魔法使いは空に向かってゆっくりと、
杖でグルグルと円を描く。
(何をしているの?)
柚はそう思うけれど…言葉が出て来ない。
ふいに、円の中心が光に満ちて、渦を描き出した。
(これから、何が始まるの?)
魔法使いの杖が動くたびに、それに合わせるようにして、光の輪が
グングン大きく広がっていく。
まるで鍋をかき回すように、とても自然な恰好で、ひたすら空を
かき回す。
「さぁ、あなたは…これから出会う人と、仲良くなりなさい。
きっと…いい道連れになってくれるはずだから」
おごそかな声が、聞こえてくる。
おばあさんは?
振り返ると…いつの間にか柚は、円の中心に立っていた。
それはまるで、かごめかごめの中にいる女の子のようだ。
周りを光の渦に取り囲まれて…
ポツンと一人、取り残されたような、不思議な感覚だった。
「えっ?ちょっと!おばあさん!」
たまらず柚は、声を張り上げる。
(ここは、どこ?)
さっきは、自分の部屋にいたはずなのに。
「え~っ、ちょっと、誰か!」
いつの間にか、変な所に連れて来られてしまった。
(やっぱり、あの人は…魔法使い?)
呆然とする柚なのだった。
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