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第3章 夢のカケラ
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あれは、夢だったの?
柚は自分のポケットに入っている、ガラスのカケラを、もう片方の手で
探している。
「あのね、ママ…
ママって、おばあさん…知ってる?」
もう一度、お風呂に入って、パパとママにおやすみなさいを言おうとして、
柚は思い切って聞いてみる。
「おばあさん?」
いきなりそんなことを言うので、母親はびっくりした顔で、柚の顏を
のぞき込む。
「なぁに?おばあさんが、どうかした?」
心配そうに、父親が眉をしかめる。
父親は…柚が誘拐されそうになった、と思い込んでいるのだ。
「ブランコにね、黒い服を着たおばあさんがいたの。
ママのこと…エラって、言ってたわ」
あのおばあさんの言うことを、信じたわけではないけれど…
気になったので、柚は思い切って聞いてみたのだ。
「えっ?」
母親の顏が、ピクリとこわばる。
「それって、いつ?」
笑っていた顔が、すーっと真顔になっていく。
「おばあさんが、どうかした?」
父親まで、心配そうに柚を見る。
「ユウ…知らない人に、ついて行ったら、ダメだって、いつも言ってるだろ?」
やや厳しい口調で、父親が言う。
母親は、父親を押しとどめ、
「ね、その人…何か言ってた?」
真剣な顔つきで、柚に聞いた。
柚は自分のポケットに入っている、ガラスのカケラを、もう片方の手で
探している。
「あのね、ママ…
ママって、おばあさん…知ってる?」
もう一度、お風呂に入って、パパとママにおやすみなさいを言おうとして、
柚は思い切って聞いてみる。
「おばあさん?」
いきなりそんなことを言うので、母親はびっくりした顔で、柚の顏を
のぞき込む。
「なぁに?おばあさんが、どうかした?」
心配そうに、父親が眉をしかめる。
父親は…柚が誘拐されそうになった、と思い込んでいるのだ。
「ブランコにね、黒い服を着たおばあさんがいたの。
ママのこと…エラって、言ってたわ」
あのおばあさんの言うことを、信じたわけではないけれど…
気になったので、柚は思い切って聞いてみたのだ。
「えっ?」
母親の顏が、ピクリとこわばる。
「それって、いつ?」
笑っていた顔が、すーっと真顔になっていく。
「おばあさんが、どうかした?」
父親まで、心配そうに柚を見る。
「ユウ…知らない人に、ついて行ったら、ダメだって、いつも言ってるだろ?」
やや厳しい口調で、父親が言う。
母親は、父親を押しとどめ、
「ね、その人…何か言ってた?」
真剣な顔つきで、柚に聞いた。
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