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第2章 あなたはだぁれ?
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「えぇっ?」
柚はびっくりして、大きな声を上げる。
ユウのおばあさんじゃなくって…
それって!
「魔法使いのおばさん?」
思わず上げた自分の声に、柚自身がびっくりして、思わず両手で
口をふさぐ。
「しぃ~っ」
黒づくめの女は、柚に向かって、指を1本立てると
「これはね、あなたと私の秘密よ!」
いたずらっぽい顔付きで、ニヤリと笑う。
柚はまだ、驚きのあまり声を失い、コクコクとただうなづくだけだった。
「懐かしいなぁ」
魔法使いは、ガラスのヒールの部分を太陽に透かしてみせる。
「あなたのママはね、とってもきれいな人だったわ。
あのお城の中でも、一番!」
まるで自分のことのように、自慢気にする。
「そうなの?」
だが柚はまだ、ピンとこない。
確かにママは、可愛いけれど…
でも、お姫様なんかじゃない。
「そうよ!」
あなたには、想像もつかないでしょうけどね。
そう言いながらも、ガラスのカカトをクルリと振って、何か呪文をボソボソと
唱え始めた。
柚はびっくりして、大きな声を上げる。
ユウのおばあさんじゃなくって…
それって!
「魔法使いのおばさん?」
思わず上げた自分の声に、柚自身がびっくりして、思わず両手で
口をふさぐ。
「しぃ~っ」
黒づくめの女は、柚に向かって、指を1本立てると
「これはね、あなたと私の秘密よ!」
いたずらっぽい顔付きで、ニヤリと笑う。
柚はまだ、驚きのあまり声を失い、コクコクとただうなづくだけだった。
「懐かしいなぁ」
魔法使いは、ガラスのヒールの部分を太陽に透かしてみせる。
「あなたのママはね、とってもきれいな人だったわ。
あのお城の中でも、一番!」
まるで自分のことのように、自慢気にする。
「そうなの?」
だが柚はまだ、ピンとこない。
確かにママは、可愛いけれど…
でも、お姫様なんかじゃない。
「そうよ!」
あなたには、想像もつかないでしょうけどね。
そう言いながらも、ガラスのカカトをクルリと振って、何か呪文をボソボソと
唱え始めた。
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