デブよ、さらば!

daisysacky

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第9章 危険な思いつき つい、魔がさして

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  あんなに、家を磨き上げるのが、好きだった空美だったが、何がわざわいなのか、家の掃除まで、手が
回らない。
休みの日には、つい、寝る方を優先するぐらい、体は
限界にまで来ていた。
この日だって寝ていたら、海美が様子をうかがいに来た。ミアから、風邪をうつされて以来・・・海美は、2~3日に1回、会社帰りに寄ることが ひそかな
楽しみとなっていた。時には、総菜を買って帰ることもある。
ここに至って、ようやく姉妹の仲が、改善されてきていた。ホントに、イマサラ・・・ということなのだが・・・
ショウちゃんは、それを喜んでいるようだった。
とにかく、それも自覚がないほど、空美は疲れていた。
すべてにおいて、疲れていた。
仕事も、子育ても、家事もすべて。
主婦の仕事は・・・やればやるほど、キリがなくて、
しかも逃げ出すことの許されない・・・そんなものなのだ。
1度、手抜きを覚えると、それが日常になり、なんだかだんだんだんだん・・・わずらわしくなってきたのだ。
あれほど、食に対して執着していたのに、それさえも
失い、なんだかショウちゃんやミアに、エサを与えている・・・という考えにとりつかれていた。
そうなると、まるで悪夢に飲み込まれてしまったようだった。
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