デブよ、さらば!

daisysacky

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第6章  ひとまずあがいてみる

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「体質とか、人によって違うからね。
 頼ってやろう・・・なんて思うこと自体
 他力本願っていうんだよ」と、ユミ。
「自力でなんとかしなくちゃ!
 本当の意味での力に、なっていないと思う」
と、終始さめた表情のユミである。
「やっぱり、日々の食事かなぁ」
ユミがポロリ・・・と言うと、
「え~!じゃあ、今までの努力は、なんだったの」
空美は、心底残念そうに言い、
「やっぱ、ムリなのかなぁ~
 好きなものは、食べたいし。
 それくらいしか、楽しみないのに・・・」
と言うと、ユミは少し憐れむような、顔をした。

ユミのような、痩せた人間には、デブの気持ちは
わからないのだわ・・・
半ば捨て鉢のような、ガッカリしたような、
ヒネた気持ちに、なっていた・・・

「とにかく、代謝を上げること。
 糖分を控えること、
 なんでも、取り過ぎは、よくないわ」
ユミは、しょうがを使った料理を、勧めてきた・・
「それじゃ、行きましょ」
と、ユミがうながすと、
「どこへ?」
悄然とした表情の空美が聞く。
「何を言ってんの」
呆れたように笑うと・・・
「体操に、決まってるでしょ」
と、言い、少し不満そうにしている、空美の背中を押した。
「とにかく、続けることよ。
 焦っても、しかたないわ。
 そのうち、結果が出るわよ」
と、幾分、励ますように、言った。
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