デブよ、さらば！

第６章 ひとまずあがいてみる

１６

「いや・・・お医者さんに、見てもらってるの？」
と聞くと、ユミは寂しそうに、
「それって、夫婦そろって行かないと、いけないでしょ？ダンナ、嫌がるもの・・・」
と、少し困った顔をした。
困った顔のユミを見ると、空美は、それ以上何も
言えなくなってしまう・・・
なんとなく気まずい雰囲気のまま、来週会う約束をして、駅で別れた。

　空美にはやはり、ユミのことがわからない・・・
自分だったら、それくらいで、折れたり、引き下がったりはしないだろう・・・
「ショウちゃんの首根っこひっつかんで、引こずってでも、病院へ連れて行くのに・・・」
と、思うものの、ユミには、ユミの家庭あるのだから、あえて口出ししてはいけない・・・と思った。
「さぁ、急がなくちゃ！ミアに」怒られてしまうわ」
　ミアはこのところ、どこで覚えたのか、やたらと口が
達者になってきているキライがある。