デブよ、さらば!

daisysacky

文字の大きさ
上 下
77 / 258
第4章  はじめは軽やかに

   2

しおりを挟む
  まだ、外は薄暗いけれど、空美は携帯を片手に、
外へと躍り出た。懐中電灯を片手に歩く、明るい色の
ジャージを着た老夫婦が、仲睦まじく歩いている。
空美はその後を歩きながら、羨ましく見ていた。
まだ、半分頭は眠ったような状態だったが、
朝の空気に触れて、徐々に覚醒してきた。
澄んだ朝の空気は、ねぼけていた頭を、スッキリと
さわやかな気分にしてくれる・・・
(朝の散歩って、こういうとこがいいね)
とつぶやくと、大きく手を振って歩いた。

 驚くことに、こんな早朝でも、意外と活動している
人は、いるものなのだ・・・
空美は初めて、それに気付き、少し恥ずかしく
思っていた。
早朝から、犬の散歩に出かける人・・・
ジョギングする人・・・
自転車に乗って、どこかに行く人・・・
ヒンヤリとした空気に、背筋をピンと伸ばし、
歩いているうちに、体がポカポカしてきた。
いつも見る街並みも、こうして見ると、
中々素敵な場所に見えるから・・・
たまにはこうして、歩くのも、悪くないね!
そう思ったのである。

空美が折り返して、帰ろう・・・と振りむいたら、
丁度、新聞配達の自転車と、すれ違った。
しおりを挟む

処理中です...