デブよ、さらば!

daisysacky

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第3章  こうしてデブは作られる?

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    ユミの言うことはもっともで、耳の痛いことばかりだった。
「うん・・・そうなんだけどね・・・もっと優しく言ってくれないかなぁ」
空美は、上目遣いで、ユミを見る・・・と
「あまい!」
早速、ユミは一喝した。
「ダンナは、なんて言った?
 おまえなんて、痩せるわけない・・・とでも、言われなかった?」
重ねて言うユミに、空美は目を丸くして、
「ピンポーン!
 なんでわかったの?」と、やけに間延びした声を出したので、さすがのユミも、
苦笑した。
「そんなの、側にいれば、誰だってわかるわよ」
と、呆れた顔で言うと、「はぁ~」と、ため息をついた。

「さてと」
ユミは、口調を変えると、空美の顏を見つめる。
「まずは、生活習慣を変えなきゃね!
 それには、私の言うことを、必ず守ってもらいます。いいね?」
と、聞くと、空美は少し緊張した顔で、うなづいた。
「よし」と、ユミはうなづくと、
「まずは、毎朝、体重計に乗る。それを、逐一報告すること」
「えっ?」空美は、少し慌てた。
「うち、体重計は、壊れて、ない」
「はぁ?」ユミは、思わず大きな声になり、
「じゃあ、買ってください」
「え~」
「それと、鏡!これも毎日、全身を映して、チェックすること。
 目で見て、自分で実感してもらうことが、第一歩ね」
ユミが、ひとつひとつ、確認するように言うのを、空美は、茫然として聞く。
「タンスについてるのじゃ、ダメ?」
「ダメ!」
ユミは、空美の顔を、けわしい顔をして、見返した。


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