デブよ、さらば!

daisysacky

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第3章  こうしてデブは作られる?

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「まず、用意して欲しいのは、体重計と、全身が写る鏡だわね」
 またいつものように、イートインスペースの、窓際の席を陣取ると、
開口一番に、ユミは口を開いた。
やけに、張り切っているように、見受けられる。
ユミは昔から、こうして、人に頼られると、がぜん張り切る姉御肌タイプの
人間なのだ。
自分でも、呆れるくらいに・・・

そうして鶴の一声で、こうして集合した。
早速、作戦会議・・・とばかりに、テーブルの上には、ユミが考えてきた
トレーニングメニューが、広げられている。
空美の専属コーチと相成った、幼なじみのユミは、それらを見ながら、
ウーンとうなっている。
空美はその脇で、おとなしくバナナシェイクをすすっている。

(あぁ~、フラッペが食べたい!
 メロンフロートでもいい・・・
 アイスが食べたい・・・)
 うなっているユミをよそに、先ほどからのんきに、心の中で、つぶやいている
空美。
すると、心の声が、漏れ出しているのか?
ユミは、ガバッと顔を上げ、
「こらっ!」と声を上げた。
「あんたねぇ、ここへ、何しに来たの?」
と、目を三角にするユミに、驚いて、ストローを落っことしそうになる。
「そんなんだと、痩せないよ!」
ダメだ、ダメだ・・・と、広げた紙を丸めだした。
「まずは、自覚してもらうことから、始めるわ」
ユミは、きっぱりと言い切った。
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