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第2章 満たされないその想い
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しおりを挟むさらに海美は、そんなトモミに驚いて、
「ねぇトモミ、どうしちゃったの?
熱でもあるの?
何か、悪いものでも食べた?」と聞くと、
「だまらっしゃい!」とトモミは、一喝した。
「あんたね~好いてくれる人がいるだけで、ありがたいとおもわなくちゃ!」と言う。
「世の中には、おいしいところだけ食べ散らかしたら、ポイ!と平気で捨てる男が、
山ほどいるのよ。
あんただって、覚えはあるでしょ?
あんたみいなワガママ女、相手にしてくれる男がいるだけ、
ありがたい、と思わなくちゃ!
私たち、幾つになると、思ってるの?」
と、トモミ、今日はやけに力説する・・・
そこでようやく、海美は、トモミに、何事かあった、と気付いた。
「どうした?何かあったの?」と聞くと、
「なんもない!」と答える。
「悲しいくらい、なんのリアクションもないのよ・・・
アイツ、結婚する気概なんてものがないの。
そのくせ、金もない!
大して愛情もない・・・
男前でも、もちろんない。
こんな、なんにもない男と、不毛な関係を続けるのは、やめにしたいけど、
ほかに、誰もいないし、なんていうの、情・・・?があって、
やめられないのよね・・・」
「どうして?やめればいいじゃん」
海美の言葉に、トモミは猛然と食いついてきた・・・
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