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第2章 満たされないその想い
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しおりを挟むキョーヘイは、自分を試すようにして、見つめる海美を見返した。
「わかった」と言う。
「できるだけ早く行って、帰ってくれば、なんとかなるかも」
と言うと、
「花火買っていこう!」
と唐突に、海美が思いついたように、言う。
「えっ?そんなことしたら、ホントに遅くなるよ」
キョーヘイは、ためらうように言うと、
「それはそれ。これはこれ」
と、海美は楽しそうに言う。
キョーヘイは少し期待をこめて、
「送りオオカミになっちゃうぞ」
と言うと・・・海美は、真顔になる。
そして、うっすらと微笑む。
キョーヘイは、その微笑みの意味がわからず、
少し情けない顔になった。
据え膳食わぬは、男の恥・・・と言う言葉があるけれど。
キョーヘイはいつも、海美に振り回されてばかりいる。
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