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第2章 満たされないその想い
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しおりを挟むあの日・・・結婚式の前夜、空美の姿をみると、なぜか吐き気がして、妹として、祝福しないと
いけないのに、この時初めて、自分の気持ちを知った。
今まで、ずっと認めまいとしていた真実・・・
最大にして、越えられないライバル・・・
それは、この4つ上の姉、空美なのだ・・・ということを。
この女がいるかぎり、私はいつだって、大好きなあの人にも、振り向いてもらえないのだ・・・ということを。
玄関のポーチで、空美を送って、帰ろうとする先輩をみかけると・・・
なんにも考えずに、体が勝手に動き出した。車に乗り込もうとするところを、つかまえて、
「なぜ?」
と問い詰めると、ショウ先輩は、寂しそうに海美を見つめ・・・
「君は、ボクにとっては、好きな女性の妹なんだ」
と、残酷なひとことを、ずばりと、言ってのけた。
あの、屈辱的な日・・・
海美は思い出すだけで、恥ずかしさと後悔で、真っ赤になってしまう。
これは、先輩と、私だけの秘密・・・
空美は、海美の思いなど、露とも知らないだろう・・・
それどころか、自分を嫌っていることなど、予想もしていないだろう・・・
誰かが、純粋培養、などと言っていた。
にぶいだけよ・・・
海美はそう思うけれど、口には出して言わない。
むしろ、姉夫婦と、表面上は、仲良く付き合っている、という自信はある。
これは、一生言ってはいけない秘密だ・・・
そう、海美は思っていた。
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