デブよ、さらば！

第１章 空美の場合

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「よ、姉さん！頼りにしてます！」
　空美は手を合わせて、ユミを拝んだ。
すると
「私はまだ、死んでな～い。勝手に、殺すな、おがむな！」
と、パッと手を払われる。
だけど、空美がまた、おがむポーズを続けるので、
「わかった、わかった。なら早速、作戦をねろう！」
と、ようやく、ユミが重い腰を、あげることとなった。
そこが、地獄の日々が待ってるとしらずに・・・

「ね、明日、ダイエット、ということで、一口だけでも、
　くれない？」
空美は、手つかずのフラッペに手を伸ばそうとして・・
「オバカ！」と、
スプーンで、ユミがその手をたたいた。

「いたっ！」
あわてて、空美は手を引っこめる
「なぁに？本気で、痩せ気があるわけ？」
ユミは、うらめしそうに見る、空美にスプーンを、ブンブン振り回して
見せる。
「おに・・・」
ポソッと、空美は」つぶやく。
「なぁに？なんか、言った？」
ユミは、平然としている。
「なんなら、今ここで、ダイエット宣言したの
取り消す？」
今度は、ドスのきいた低い声で、言い返してきた。
この声が聞こえてきたら、最後通告！
取り返しのつかない、事態だ・・・・

　空美は、ようやく、溶けかけたフラッペへの視線を、ムリヤリはがして・・・
うっすらと、涙を浮かべる・・・
「泣くんじゃな～い！」
ユミは、ようしゃなく、冷ややかに、空美を見つめる・・・
「わかった」
小さく、空美、つぶやく。
「で、ユミ様・・・一体、どうしたら、いいのでしょうか？」
無理やり、気持ちを切り替えて、専属コーチに、教えを乞う・・・

こうして、空美のダイエット生活が、スタートしたのだった。