デブよ、さらば！

第１章 空美の場合

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「はい、ユミ様！」
　ここは、なんでもいいから、頭を下げちゃおう！
　ユミは、「ふーん」と考えこみつつ、テーブルをタップする。
「まずは、その《デブのもと》は、よこしなさい」
「えっ？」
「瘦せる気がある人は、こんなもん、食ってたら、ダメだよ」
「えっ？それは明日から・・・」
「ダメよ！そう言ってるから、瘦せないの！
　林先生も、言ってるでしょ？
　いつやるの？」
　古いベタなネタだけれど、ユミが強く言うと、空美はしかたなく、
「今でしょ～」
と、つぶやくと、「ほれ」と、ユミは手をだした。

　あぁ、私の大好きな、マンゴーフラッペちゃん！
まだ、半分以上も。残ってるそれを、ユミは情け容赦なく、
没収した。
頭の中で、繰り返し、
　　ドナドナドナドオなあ～
　あの、哀愁漂うメロディが、繰り返し再生された。
「ほれ、スプーンも！」
　店を出るのか？と思えば、そうじゃない。
ユミは、わたしのたべかけに、スプーンを突き刺して、山を崩しはじめた。