デブよ、さらば!

daisysacky

文字の大きさ
上 下
5 / 258
第1章  空美の場合

5

しおりを挟む
   体質というものは、遺伝するものなのだろうか?
空美の母親も、いわゆる、ぽっちゃり体型。
しかも、ぽっちゃり・・・・というか、とにかくデカい。ウドの大木、というやつ。
母親の年にして、この身長は、珍しい。本人は、160cmと言い張っているが、実のところは、
かなりのサバ読みで・・・167は、くだらないのでは?と、にらんでいる。
ま、本人には、もちろん内緒の話である。

だけども、我が家は、それだけではない。
のみの夫婦!という言葉があるけれど、父親は、母親よりも、細くて背も小さい。
それが、コンプレックス・・・と本人は言ってたけれど、それにしても、うらやましいくらい
二人は、仲がいいのだ。
母親は、ああ見えて、情に弱くて、涙もろい。おまけに、向こうっ気も激しくて、空美と妹の
海美も、こうなったら、手がつけられない・・・
海美に言わせれば、
(あの夫婦は、父親の忍耐と人柄のおかげだ!)
ということらしいが・・・
だがまあ、両親が仲良しのおかげで、少女時代の空美も、
「アンタのこと、朝青龍というやつは、どいつだ?
 ちゃんと、目が見えるようにしてやる!」
と息巻いて、父親と二人で、玄関先でもめたこともある・・・

ちなみに、海美は、我が家では唯一の普通体型で・・・
どんなにうらやましく感じたかは、また別の機会にお話ししよう・・・
この子は、年頃になると、劣悪?な環境にありながら、あひるが白鳥になるように、
美しく変身したのである。
(いつか、その秘訣、聞きださねば!)
ひそかに、空美は(あわよくば・・・)と、思ったのは、いうまでもない。


しおりを挟む

処理中です...