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Scene12 シンデレラはガラスの靴をはいて
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信子は寂しそうな顔をして頭を振ると、
「素敵ですね…」とだけ言いました。
「なら!」
思わずエラが力強く声を上げると、信子はさらにかぶりを振ります。
「でも、いいんです…」
とだけ言うと、黙ってしまいました。
それきり口を開かない信子に、何とか心を開かせたい…と
内心焦っているエラに、
「あなたは、あなたのことだけを、考えればいいのよ…」
大家さんが、静かに声を掛けました。
その言葉の意味を考えていると、大家さんは穏やかな顔で微笑むと…
「子供はね、大人に気を使ってちゃ、ダメよ」そう言うと、
「エラ、あなたもね」
と、エラの瞳をじぃっと見つめました。
エラは言葉の真意をくみ取ろうとしていると、ふぅ~と息を
吐くと、
「わかったわ、協力しましょう」とだけ言いました。
「とにかく 後悔することだけは止めてね!」
そう針を刺すと、エラの顔を穴があきそうなくらい、
じぃっと見つめました。
「それじゃあ、私はどうしたらいいの?」
今度は真剣な顔つきになりました。
そこからはエラも、かなり真剣なまなざしです。
なにしろおとぎの国へと帰れるかどうかが、かかっているのです。
エラはまっすぐに、大家さんの方を見ると、
「まずは、その森の中を案内してください」
ためらうことなく言いました。
「素敵ですね…」とだけ言いました。
「なら!」
思わずエラが力強く声を上げると、信子はさらにかぶりを振ります。
「でも、いいんです…」
とだけ言うと、黙ってしまいました。
それきり口を開かない信子に、何とか心を開かせたい…と
内心焦っているエラに、
「あなたは、あなたのことだけを、考えればいいのよ…」
大家さんが、静かに声を掛けました。
その言葉の意味を考えていると、大家さんは穏やかな顔で微笑むと…
「子供はね、大人に気を使ってちゃ、ダメよ」そう言うと、
「エラ、あなたもね」
と、エラの瞳をじぃっと見つめました。
エラは言葉の真意をくみ取ろうとしていると、ふぅ~と息を
吐くと、
「わかったわ、協力しましょう」とだけ言いました。
「とにかく 後悔することだけは止めてね!」
そう針を刺すと、エラの顔を穴があきそうなくらい、
じぃっと見つめました。
「それじゃあ、私はどうしたらいいの?」
今度は真剣な顔つきになりました。
そこからはエラも、かなり真剣なまなざしです。
なにしろおとぎの国へと帰れるかどうかが、かかっているのです。
エラはまっすぐに、大家さんの方を見ると、
「まずは、その森の中を案内してください」
ためらうことなく言いました。
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