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Scene12 シンデレラはガラスの靴をはいて
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この時間でも、少しほの暗くて、路地のどこからともなく、
かすかに犬猫の糞尿のにおいが漂ってきています。
お世辞にも、きれいな場所とはいえません。
コンクリート塀には、
『犬のふん捨てるな』『持ち帰って下さい』と、貼り紙が
目につきます。
足元に気を付けながら、奥の方へ1歩1歩進んでいくと、
どこかの店のビールケースが山積みになっていたり、
残飯の入った、フタ付きのバケツなどが、乱雑に置かれています。
その脇を倒さないようにと、すり抜けると、金網で覆われた、
小さな空き地にたどり着きました。
エラはためらうことなく、器用にそのフェンスの破れた所を
潜り抜け、ボーボーの草が生い茂る空き地へと、足を
踏み入れました。
ここはまだ手つかずで、一応立ち入り禁止区域なのですが、
今の所買い手もなく、いずれは駐車場か、家にでもなるのかも
しれません。
隅っこでは、土管も置いてあり、子供の遊び場には最適ですが、
見た所は、その気配もありません。
土管の側には、小さな木が植わっていました。
それを見つけると…エラはその側に進んで行くと、
ためらいなく しゃがみ込みます。
不思議なほどの静寂が、その場を支配していて、人の通りも
まったくありません。
つまりは、ここには誰もいなくて、自分1人しかいないのだ…
と思うと、なんの遠慮もなく、心置きなく、したいことができます。
躊躇することなく、まるで犬のように、せっせと穴を掘り続けました。
かすかに犬猫の糞尿のにおいが漂ってきています。
お世辞にも、きれいな場所とはいえません。
コンクリート塀には、
『犬のふん捨てるな』『持ち帰って下さい』と、貼り紙が
目につきます。
足元に気を付けながら、奥の方へ1歩1歩進んでいくと、
どこかの店のビールケースが山積みになっていたり、
残飯の入った、フタ付きのバケツなどが、乱雑に置かれています。
その脇を倒さないようにと、すり抜けると、金網で覆われた、
小さな空き地にたどり着きました。
エラはためらうことなく、器用にそのフェンスの破れた所を
潜り抜け、ボーボーの草が生い茂る空き地へと、足を
踏み入れました。
ここはまだ手つかずで、一応立ち入り禁止区域なのですが、
今の所買い手もなく、いずれは駐車場か、家にでもなるのかも
しれません。
隅っこでは、土管も置いてあり、子供の遊び場には最適ですが、
見た所は、その気配もありません。
土管の側には、小さな木が植わっていました。
それを見つけると…エラはその側に進んで行くと、
ためらいなく しゃがみ込みます。
不思議なほどの静寂が、その場を支配していて、人の通りも
まったくありません。
つまりは、ここには誰もいなくて、自分1人しかいないのだ…
と思うと、なんの遠慮もなく、心置きなく、したいことができます。
躊躇することなく、まるで犬のように、せっせと穴を掘り続けました。
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