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Scene11  シンデレラは時を越えて

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  緊張するのか、やたらとトイレに立ったり、
乾燥するのか、やたらとお茶を飲んだり、
最終確認で練習したり…そうこうしているうちに、いつの間にか
気が付くと、舞台袖に誘導されていました。
丁度ステージでは、自分たちの1つ前の人が、影絵を扱っていました。
 
 このイベントは…子供のためのイベント、ということで、歌や
踊りだけでなく、紙芝居や、エラたちのような人形劇のグループなど、
県内で活動するサークルの人たちがエントリーする、おまつりのような
イベントです。
コンクールのような優劣を競うものではないので、こうして
リラックスして、相手のパーフォーマンスを鑑賞して、心置きなく
拍手もできるのです。

 エラはもっと早く、こういう活動に出会えればよかったなぁ~と
思います。
せめて、元の世界に戻る直前ではなくて、もっといろんなことを
体験しておけばよかったなぁ~と。
 そうして前のグループの人の演技が終わると、一旦幕が下りて、
あわただしくセットが移動されます。
エラたちも、人形を乗せる台が必要なので、どうしてもこういった
手間がかかるのです。

「さぁ、いよいよね!」
メグミさんが、気合を入れるように言うと、
「とにかく今日は、みんなが主役よ!
 楽しみながら、やっていきましょ!」
そう言うと…ついに自分たちも、ステージへ向かいます。
エラにとって、生まれて初めての、そして最後の舞台が
始まったのです。
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