313 / 370
Scene11 シンデレラは時を越えて
17
しおりを挟む
部屋の外に出ると、信子が丁度到着したところでした。
エラはホッとした顔で、信子と目を合わせます。
何事かわかったように、信子はエラに向かってうなづくと…
すぐに2人は、何事もなかったように、すれ違いました。
「それで?私にお願いって、なに?」
ようやくひと気の少ない、トイレの側の自動販売機の方へ連れ出すと…
礼美はエラに向き直ります。
「何か飲む?」
自販機をにチラリと視線を投げると、礼美は聞きます。
「どれが好き?」
「別に何も…」と言うと。。。
礼美はようやく、ニッコリとして
「私はなんだか緊張して…のどが渇いたわ」
そう言うと、ポケットから、小さな小銭入れを取り出します。
「お茶でいいわね?」
返事を待たずに、コインを取り出すと、エラに1本差し出しました。
お互いに、缶を手にして、一口飲むと、一瞬沈黙の時が流れ、
礼美は黙ってエラを見つめます。
何とか言わなくちゃ、そう思うのだけれど、エラは中々
うまく言葉にのせることが出来ません。
「時間がないわ、手短に済ませましょ」
結局切り出したのは、礼美でした。
「もしかしたら、急ぐことなの?後にしたら、ダメ?」
あらためて聞くと、エラは大きくうなづきました。
計画通りに、動いているのなら…
今頃シューヘイが、迎えに行っている頃です。
エラは観念したように、大きく深呼吸すると、
「実は礼美さんに、お願いがあるのです」
ためらいがちに言いました。
エラはホッとした顔で、信子と目を合わせます。
何事かわかったように、信子はエラに向かってうなづくと…
すぐに2人は、何事もなかったように、すれ違いました。
「それで?私にお願いって、なに?」
ようやくひと気の少ない、トイレの側の自動販売機の方へ連れ出すと…
礼美はエラに向き直ります。
「何か飲む?」
自販機をにチラリと視線を投げると、礼美は聞きます。
「どれが好き?」
「別に何も…」と言うと。。。
礼美はようやく、ニッコリとして
「私はなんだか緊張して…のどが渇いたわ」
そう言うと、ポケットから、小さな小銭入れを取り出します。
「お茶でいいわね?」
返事を待たずに、コインを取り出すと、エラに1本差し出しました。
お互いに、缶を手にして、一口飲むと、一瞬沈黙の時が流れ、
礼美は黙ってエラを見つめます。
何とか言わなくちゃ、そう思うのだけれど、エラは中々
うまく言葉にのせることが出来ません。
「時間がないわ、手短に済ませましょ」
結局切り出したのは、礼美でした。
「もしかしたら、急ぐことなの?後にしたら、ダメ?」
あらためて聞くと、エラは大きくうなづきました。
計画通りに、動いているのなら…
今頃シューヘイが、迎えに行っている頃です。
エラは観念したように、大きく深呼吸すると、
「実は礼美さんに、お願いがあるのです」
ためらいがちに言いました。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
2・5次元に恋するのは浮気ですか?
さつきのいろどり
恋愛
私は、もうそろそろアラフォーを迎える主婦。
来年、中学生になる子供と、小学生の子供が二人いる。
主人との仲も良好です!
そんな私は恋をしてしまう。恋愛アプリゲームの中の相手に。
笑ってしまう人もいると思うけど、その恋愛アプリゲームは
だだのアプリではなかった。二・五次元と言う、リアル体験型のアプリ。
そのゲームの中の登場人物に恋をしたら浮気になりますか?
夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。
ヒムネ
ライト文芸
精霊でバナナ·ガールのギャル·ナナ、彼女は何千億万本の1つのバナナで当たる精霊。そんな彼女を当てたのは、夏の暑さに買い物から帰ったお母さんからアイスを貰おうとしたらバナナになってしまいしぶしぶ食べようとした森田家の長男 末信(すえのぶ)だった。あまりの出来事に驚く末信だがナナはさらに8月31日まで済ませろという、脳天気なお母さんはOKしてしまうも彼は危険を感じ家族を守ろうと決意するが・・・。森田一家から学校と精霊でバナナ·ガールのナナがみんなを巻き込むハチャメチャ·ストーリー♪
※エブリスタ、ノベルアップ+、ノベルピアでも公開中
可不可 §ボーダーライン・シンドローム§ サイコサスペンス
竹比古
ライト文芸
先生、ぼくたちは幸福だったのに、異常だったのですか?
周りの身勝手な人たちは、不幸そうなのに正常だったのですか?
世の人々から、可ではなく、不可というレッテルを貼られ、まるで鴉(カフカ)を見るように厭な顔をされる精神病患者たち。
USA帰りの青年精神科医と、その秘書が、総合病院の一角たる精神科病棟で、或いは行く先々で、ボーダーラインの向こう側にいる人々と出会う。
可ではなく、不可をつけられた人たちとどう向き合い、接するのか。
何か事情がありそうな少年秘書と、青年精神科医の一話読みきりシリーズ。
大雑把な春名と、小舅のような仁の前に現れる、今日の患者は……。
※以前、他サイトで掲載していたものです。
※一部、性描写(必要描写です)があります。苦手な方はお気を付けください。
※表紙画:フリーイラストの加工です。
隣の古道具屋さん
雪那 由多
ライト文芸
祖父から受け継いだ喫茶店・渡り鳥の隣には佐倉古道具店がある。
幼馴染の香月は日々古道具の修復に励み、俺、渡瀬朔夜は従妹であり、この喫茶店のオーナーでもある七緒と一緒に古くからの常連しか立ち寄らない喫茶店を切り盛りしている。
そんな隣の古道具店では時々不思議な古道具が舞い込んでくる。
修行の身の香月と共にそんな不思議を目の当たりにしながらも一つ一つ壊れた古道具を修復するように不思議と向き合う少し不思議な日常の出来事。
真実の愛に目覚めたら男になりました!
かじはら くまこ
ライト文芸
結婚式の日に美月は新郎に男と逃げられた。
飲まなきゃやってらんないわ!
と行きつけの店で飲むところに声をかけてきたのはオカマの男だったが、、
最後はもちろんハッピーエンドです!
時々、中学生以下(含む)は読ませたくない内容ありです。
もしもしお時間いいですか?
ベアりんぐ
ライト文芸
日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。
2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。
※こちらカクヨム、小説家になろうでも掲載しています。
フツウな日々―ぼくとあいつの夏休み―
神光寺かをり
ライト文芸
【完結しました】
ごくフツウな小学生「龍」には親友がいる。
何でも知っている、ちょっと嫌なヤツだけど、先生に質問するよりずっと解りやすく答えてくれる。
だから「龍」はそいつに遭いに行く。
学校の外、曲がりくねった川の畔。雨が降った翌々日。石ころだらけの川原。
そいつに逢えるのはその日、その場所でだけ……のハズだった。
ある暑い日、そいつと学校で逢った。
会話するまもなく、そいつは救急車にさらわれた。
小学生「龍」と、学校の外だけで会える友人『トラ』の、何か起きそうで、何事もなさそうな、昭和の日常。
きんだーがーでん
紫水晶羅
ライト文芸
同じ短大の保育科に通う、政宗、聖、楓、美乃里の四人は、入学当初からの気の合う仲間だ。
老舗酒蔵の跡取り息子でありながら、家を飛び出した政宗。複雑な家庭環境の下で育った聖。親の期待を一身に背負っている楓。両親の離婚の危機に怯える美乃里。
それぞれが問題を抱えながらも、お互い胸の内を明かすことができないまま、気がつくと二年生になっていた。
将来の選択を前に、少しずつ明らかになってくるそれぞれの想い。
揺れ動く心……。
そんな中、美乃里の不倫が発覚し、そこから四人の関係が大きく変わり始めていく。
保育士を目指す男女四人の、歪な恋と友情の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる