上 下
300 / 370
Scene11  シンデレラは時を越えて

  4

しおりを挟む
 シューヘイは、あちゃぁと思い、
「やっぱり、知らなかったんだなぁ~」と、エラを見て笑います。
エラは急に不安になり、
「じゃあ、ムリなの?」と聞くと、
「うーん、カスミちゃんに頼んだ方が、いいんじゃないかなぁ」
腕組みをして、少し考え込む仕草をする、シューヘイです。


 ここ最近、何かと忙しそうにしているエラに、周りの人達は、
気付いているのか、いないのか…
誰もがあわただしく、本番に向けて、走り回っている頃…
エラ自身はというと、着々と、自分の決めた最後の挑戦のために、
せっせと準備を始めていました。
 魔法使いの手紙には、最後の日は、誰にも見られずに来るように…
と、指示されていましたが、どうやらそれは、難しいことに
気付きます。
なぜならエラ自身は、そもそもカスミと一緒に暮らしているので、
否が応でも、いなくなったら、すぐにわかってしまいます。
(よくベタな設定だと、その後記憶を消す、という手法も
あることはあるのですが…)
それに自分が今、考えている計画だと、協力者がなしでは考えられません。
黙って実行する、というのが不可能な場合、どうしたらいいのか…と、
早くもエラは気付きました。
(まぁ、何にせよ、手伝ってくれる人が、必要よね)
そう、心の中でつぶやくと…
その協力者に適任だと選んだのは、やはりシューヘイでした。
何しろエラが、おとぎの国から初めて、この世界に迷いこんだ
時から、ずっとかかわってきた人なので、一番信用できる…と
思ったからです。
それから、礼美…
この人は、どこまで自分のことを、理解してくれているのか、
わかりませんが…
自分のことを、誰よりも快く受け入れてくれたので、ひとまず信用することに
しました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

裏切りの代償

志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。 家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。 連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。 しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。 他サイトでも掲載しています。 R15を保険で追加しました。 表紙は写真AC様よりダウンロードしました。

私の恋が消えた春

豆狸
恋愛
「愛しているのは、今も昔も君だけだ……」 ──え? 風が運んできた夫の声が耳朶を打ち、私は凍りつきました。 彼の前にいるのは私ではありません。 なろう様でも公開中です。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

裏切りの先にあるもの

マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。 結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。

妻のち愛人。

ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。 「ねーねー、ロナぁー」 甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。 そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」 そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。 彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・ 産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。 ---- 初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。 終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。 お読みいただきありがとうございます。

処理中です...