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Scene10 シンデレラを取り戻せ!

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 大家さんは、ひどく感心したように微笑むと…
「きっとあの子は…小さい頃から、しつけされて育っているのね。
 こういう人がいると、家の中がキチンとして、明るく
 なりそうだねぇ」
 信子のことを褒めるので、確かにそうかもしれないな、とエラは
自分のことと置き換えて、考えるのです。

 大家さんから手渡されたのは、魔法使いからの手紙でした。
今回は、ゆっくり書く時間がなかったのか、短くひと言
『今度の日曜日…あの場所へ』とあります。
あの場所って、どこだろう…
エラは顔を上げて、思いを巡らせます。
初めてシューヘイに出会った、あの場所のことだろうか…
それとも…と考えます。

『たとえ何が起こっても、決してあわてないように!
 くれぐれも、今度は鐘が鳴り終わるのに遅れないように、
 戻ってきてください』
と、追伸で書いてありました。
 もしかして、また何かがおこるのでしょうか?
そう思うと、エラは少し緊張します。
それからもう1度、書いてある日付と時間を確認すると、
再び封筒に戻すと、小さなバッグに大切そうに
しまい込みました。
大家さんは、ニコニコしながら、エラのすることの一部始終を
見守ると、
「無事に帰れたらいいわね!」と言います。
やっぱり、知っていた?と、エラが驚いて、その顔を見直すと…
別段、格別な意味がない…と言わんばかりに、当たり前の顔を
しているので、さらに不思議な気持ちになるのでした。

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