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scene 9 もう1つののシンデレラ物語
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「やっと見つけたぞ」
その男、信子を見つけて、大きな声でわめいた。
信子は怯えた様子で、礼美にしがみつくので、
礼美は毅然と前に立つと、信子をかばうように
「何なのですか?あなたは!」
リンとした声で、言い放ちます。
すると男は、「へっ」と鼻を鳴らすと、
「ソイツは、オレの娘だ。返してもらおう」と言いました。
すると背後で気配がして、
「やっぱりあの男が来たのね!」
メグミさんが、礼美の側へと、近付いて来ました。
メグミさんは、何かを知っているのか、とりたてて
驚いた様子もなく、むしろ落ち着き払っているように見えます。
信子はガタガタと、尋常ではないくらい、怯えているので…
「可哀そうに」
信子の体をそぅっと抱き寄せると、
「帰って下さい!警察を呼びますよ!」と声を張り上げました。
すると男は小ズルイ顔をして、
「警察を呼ばれて、困るのは、どっちだろうな!」と笑います。
男の目は、ドロリ…と濁っていて、酒に酔っているのか
音量の効かないスピーカーのように、大きな声で話しています。
この男の目的は、何だ?
礼美は静かに考えていました。
「私たちは、後ろ暗いことは、なにひとつしていません。
だから…礼美、警察に電話して!」
声を張り上げると、
「何をするんだ」
男は、悔しそうな声をあげて…
「あとで泣いても、知らないからな!」
捨てゼリフを投げつけると、暗闇の中に溶けて行きました。
その男、信子を見つけて、大きな声でわめいた。
信子は怯えた様子で、礼美にしがみつくので、
礼美は毅然と前に立つと、信子をかばうように
「何なのですか?あなたは!」
リンとした声で、言い放ちます。
すると男は、「へっ」と鼻を鳴らすと、
「ソイツは、オレの娘だ。返してもらおう」と言いました。
すると背後で気配がして、
「やっぱりあの男が来たのね!」
メグミさんが、礼美の側へと、近付いて来ました。
メグミさんは、何かを知っているのか、とりたてて
驚いた様子もなく、むしろ落ち着き払っているように見えます。
信子はガタガタと、尋常ではないくらい、怯えているので…
「可哀そうに」
信子の体をそぅっと抱き寄せると、
「帰って下さい!警察を呼びますよ!」と声を張り上げました。
すると男は小ズルイ顔をして、
「警察を呼ばれて、困るのは、どっちだろうな!」と笑います。
男の目は、ドロリ…と濁っていて、酒に酔っているのか
音量の効かないスピーカーのように、大きな声で話しています。
この男の目的は、何だ?
礼美は静かに考えていました。
「私たちは、後ろ暗いことは、なにひとつしていません。
だから…礼美、警察に電話して!」
声を張り上げると、
「何をするんだ」
男は、悔しそうな声をあげて…
「あとで泣いても、知らないからな!」
捨てゼリフを投げつけると、暗闇の中に溶けて行きました。
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