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scene 9 もう1つののシンデレラ物語

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「信子はどうするの?」
エラが聞くと…
「それは、私がいるから、大丈夫」
傍らで、作業をしていたメグミさんが、自信満々で言いました。

「礼美さんって、結婚してるのよね?」
練習終わりに、片づけながら、エラは礼美に聞きます。
礼美は、顔を上げると、
「そうよ!このグループの中で、唯一まともな社会人よね」
すかさずメグミさんが口を挟むと…
「何言ってんの?メグミさんだって、立派な社会人でしょ!」
すぐさま礼美は言い返します。
するとメグミさんは笑いながら、
「私はホラ…結婚に失敗した口だから…」
と、言葉を濁すので、それ以上は口出しなど、できないのです。
「でも、そんなの、関係ないわ!」
礼美は言い返します。
「あら、そうなの?」
メグミさんが笑いながら言うと、
「そうなの!」
いつになくはっきりと、礼美が言い返します。
「でも、ダンナさん…礼美さんが出ることに、反対しないのですか?」
ふと疑問に思って、エラが口にすると…
「それは大丈夫!」
メグミさんが、とびっきりの笑顔を見せます。
「なにしろ、礼美さんに、ベタボレだもんね!」
というと、エラも興味津々になります。

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