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scene 9 もう1つののシンデレラ物語

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「ねぇ、あなた…どう思われますか?」
お妃は、王様に向かって、心配そうに話しかけます。
「なんだい?」
王様は鷹揚な顔で、お妃を見つめました。

 王子がいなくなって、2人きりになった後、王様と
お妃様は、息子である王子のことを、案じているのです。
「あの日以来、王子はすっかり人の変わったよう!
 ため息をついたり、ろくに眠れてもいないようです」
お妃が訴えるように言うと…王様もうなづき、
「それは私も、気になっていた。
 最近は、狩りに誘っても行かないし、
 ろくに遊んでもいないようだし。
 いつもうわの空で、空を見るとブツブツとひとり言
 言ってるからね…」
お妃は、ひどく心配するように、大きくためいきを
つきました。
「やっぱり、新しい花嫁候補を探しましょう!
 いつまでも、あんなこと、させられないし、
 これでは隣国の者に、笑いものみたいになってしまう…」
王様は、少し頭を抱えます。
幾つになっても、我が子は我が子。
心配なのです…
「わかりました!今度こそ…気立てのいい、とびきりの、
 美しい姫を、探させますわ!」
お妃がそう言うと、
「それはいい」
王様もうなづいて、お妃様と目を合わせました。


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