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Scene 8 シンデレラは眠れない

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「どうぞ」
 ガラスの靴をくるんでいた、あの日着ていた服を取ると…
毎日、タオルで磨いていたせいか、ガラスの靴がさんぜんと
輝いていました。
「すごい!」
礼美は手に取って、眺めます。
「あんがい重いのね」
「そりゃあ、ガラスですもの」
「すべったりしない?」
「大丈夫」
「こんなので踊ったの?」
「もちろん」
「こんなので、走ったの?」
「もちろん!」
「痛くなかった?」
「ちょっと」
「靴ずれができそうね!」
 まるで子供のように…礼美の顔は輝き…まるで好奇心旺盛な
少女のような目をしていました。
礼美はしばらくは、吸い込まれるようにして、ガラスの靴を
見つめると、
「それで、私に聞きたいことって、なぁに?」と聞きました。
まっすぐに、礼美はエラを見つめました。
エラは少し、言葉につまり、言いよどんでいると…
「あわてない!ゆっくりと落ち着いて」
と明るく言いました。

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