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Scene 8 シンデレラは眠れない
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ようやくエラが告白すると…礼美は一瞬目を大きく見開いて、キョトン
とします。それからクスリ…と笑うと、
「そうね、シンデレラね!」と言うから
「ちがうちがう、そういう意味ではなくて…
私はおとぎの国の住人なの」
エラは思い切って言ったけれど、礼美自身は懐疑的で…今一つ、
ひっかかるものが、ありました。
その反応があまりに薄いので、
しまった!もしかしたら、痛い女の子と思われてしまったかな?
とエラは反省しました。
「そうなの?ふぅん」
礼美があまりに軽い口調で言うから、エラは拍子抜けしてしまいます。
エラは…それが実は大したことではないのか、と思い直し、
礼美の顔を、思わずじぃっと見つめてしまいます。
「信じてくれるの?」と思い切って聞くと、
礼美は急にクスリと笑い、
「信じるもなにも…あなたがそうだ、と言うのなら、
信じるしか、ないのでしょ?」と言うと、
「私だって、信じられないけれど、あなたって、どこか違う
世界の人みたいなんだもの…」と言いました。
そうして礼美は微笑むと、
「私はおとぎ話の中でも、シンデレラのお話が、一等好きなのよ」
と、エラの顔を見つめました。
とします。それからクスリ…と笑うと、
「そうね、シンデレラね!」と言うから
「ちがうちがう、そういう意味ではなくて…
私はおとぎの国の住人なの」
エラは思い切って言ったけれど、礼美自身は懐疑的で…今一つ、
ひっかかるものが、ありました。
その反応があまりに薄いので、
しまった!もしかしたら、痛い女の子と思われてしまったかな?
とエラは反省しました。
「そうなの?ふぅん」
礼美があまりに軽い口調で言うから、エラは拍子抜けしてしまいます。
エラは…それが実は大したことではないのか、と思い直し、
礼美の顔を、思わずじぃっと見つめてしまいます。
「信じてくれるの?」と思い切って聞くと、
礼美は急にクスリと笑い、
「信じるもなにも…あなたがそうだ、と言うのなら、
信じるしか、ないのでしょ?」と言うと、
「私だって、信じられないけれど、あなたって、どこか違う
世界の人みたいなんだもの…」と言いました。
そうして礼美は微笑むと、
「私はおとぎ話の中でも、シンデレラのお話が、一等好きなのよ」
と、エラの顔を見つめました。
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