ちょっと待ってよ、シンデレラ

daisysacky

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Scene 8 シンデレラは眠れない

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  カスミが寝室に引っ込んだ後、エラはいつも寝ているリビングの
ソファに横になりながら、どうしようか…と考えていました。
いっそのこと、当初の目的通り、自分が帰るべきなのか。
でも、もしかしたら、自分よりも救いを求めている人が
いるのではないか…と。
魔法使いのおばあさんのことが、あれから頭に貼りついて
離れません。
やっともとの世界に戻れるというのに、何をあきらめて
仕舞っているのだ…
エラは起き上がると、膝を抱えて、じぃっと夜の闇を
にらみつけるようにしていました。

そうして、ある結論に至ったのです。
ギリギリまで迷おう。
そうして、最良の結論を探すのだ、と。
それからふと、礼美に会って、話を聞こう…そう思ったのです。
この人は…なぜだか、懐かしいものを感じます。
なんでなのかは、わかりませんが。
礼美のことは、まだあまりよく知りません。
このグループで唯一、結婚していること。
きちんと働く、共働き女性である、ということ。
あのフェアリーテイルズのリーダー的存在であること。
(責任者は、メグミさんですが)
誰もが、頼りにする、しっかりもののお姉さん的存在なのです。
礼美になら…相談しても、真面目に聞いてくれるのではないだろうか?
エラは一縷の望みを感じて、深く心に刻み込みました。
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