ちょっと待ってよ、シンデレラ

Scene ８ シンデレラは眠れない

４９

　　いっそのこと、思い切って、カスミにあのことを話してしまおうか…
エラは思います。
その方が、スッキリするのではないか、と。
本来なら、エラはカスミに、最初に打ち明けるべきだったのです。
いずれバレルことならば、さっさと自分の正体を打ち明けないといけません。
そうして、カスミの意見が聞きたいのです。
これから、どうしたらいいのか、と。

だけども、この荒唐無稽な話を…一体誰が信じるでしょう。
カスミはおろか、シューヘイだって、きっと何かの冗談だと信じないでしょう。
それに、魔法使いだって、夢の出来事のように、すっと消えてしまい、余計に
ハードルが高くなってしまったのです。

　その後のエラは散々で…注意散漫、ため息をつく始末で…
あんなに通い詰めた、人形劇のボランティアも行かず仕舞いでした。


「ねぇ、一体どうしたの？」
テレビとは反対方向を向いて、ボーッとしているエラに、カスミは
声をかけました。
「えっ？なに？」
魂が抜かれたみたいに、ひたすら虚ろな目をしているので…
おでこに手を当てて、熱がないかと、確かめたりしました。