ちょっと待ってよ、シンデレラ

Scene 7 シンデレラを探せ！

１７

「キミ…やり方を間違っているよ」
　いつも影のように、付き添っている大臣の息子は、ついにたまりかねて、口をはさみました。
「大体ね…手あたり次第の、ローラー作戦で見つかると思うのかい？それに、効率も悪すぎだろ？」
２人きりになると、ついついため口になるのは、親しい証拠。
王子もそこまで、気にするほど、小さな男ではありません。
大臣の息子の言葉に、確かにそうだなと、うなづきます。

「キミ、自分の立場が、わかってないな！もっと
手っ取り早い方法が、あるだろ？」
そう言うと…さすが親譲りの抜け目のなさで、手回しよく王様に、話をつけてきたようです。
「これを、国中に貼るんだ」
見せたのは、立派な羊皮紙に書かれた、お布書き。
すかさずこれを突き出すと…
「お、いいねぇ」
すっかり忘れていた、という顔をする王子。
「キミはこれから…この国をしょって立つ立場だろ？
なら、賢く立ち回らなきゃ！」
と言うと、おもむろに、自分の帳面を取り出すと、
「もう、手配したからね。
　あとは、種をまくだけだ」
と、少し澄ました顏で言いました。