上 下
139 / 370
scene 6 女の子はみんな、シンデレラ?

  7

しおりを挟む
「みんな・・・今日は新しいお姉さんも来てるので、
 楽しんで帰ってくださいね」
ニコニコしながら付け加えるので、一瞬、誰のことか
わかりませんでした。
わからずに、エラはボーッしていると、幸いなことに、
誰もこちらの方には、気付いていませんでした。
澄んだ声が、耳に心地よく・・・少し羨ましさを感じています。

礼美はコソッと、他の人に迷惑のかからない程度の
小さな声で、最年長のメグミさんに、ささやきます。
「来てるわよ」
耳打ちするようにしたので、
「そう」
短くうなづくと、とにかく次の順番を考えます。
今は、別のグループが、紙芝居を始めたので、
礼美たちは、その声を聴きつつ、態勢を整えました。

 
 子供たちは、お行儀よく座って、じっと紙芝居を
聞き入っています。
マットを敷き詰めたところに、お母さんと一緒に
並んで座り、時には笑い声を立てながら、見ています。

礼美たちは3番目。
今回は人形劇です。
荷物は増えるし、ひとつひとつ手作りなので、手間も
かかるのですが、やはり、紙芝居よりは子供たちの
受けもいいので、時間のないとき以外は、がんばるのです。
今日は見学者もいるから、余計に力がこもります。
果たしてどう思ってくれるのか・・・気になるところです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣の古道具屋さん

雪那 由多
ライト文芸
祖父から受け継いだ喫茶店・渡り鳥の隣には佐倉古道具店がある。 幼馴染の香月は日々古道具の修復に励み、俺、渡瀬朔夜は従妹であり、この喫茶店のオーナーでもある七緒と一緒に古くからの常連しか立ち寄らない喫茶店を切り盛りしている。 そんな隣の古道具店では時々不思議な古道具が舞い込んでくる。 修行の身の香月と共にそんな不思議を目の当たりにしながらも一つ一つ壊れた古道具を修復するように不思議と向き合う少し不思議な日常の出来事。

もしもしお時間いいですか?

ベアりんぐ
ライト文芸
 日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。  2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。 ※こちらカクヨム、小説家になろうでも掲載しています。

白衣とブラックチョコレート

宇佐田琴美
ライト文芸
辛い境遇とハンディキャップを乗り越え、この春晴れて新人看護師となった雨宮雛子(アマミヤ ヒナコ)は、激務の8A病棟へと配属される。 そこでプリセプター(教育係)となったのは、イケメンで仕事も出来るけどちょっと変わった男性看護師、桜井恭平(サクライ キョウヘイ)。 その他、初めて担当する終末期の少年、心優しい美人な先輩、頼りになる同期達、猫かぶりのモンスターペイシェント、腹黒だけど天才のドクター……。 それぞれ癖の強い人々との関わりで、雛子は人として、看護師として成長を遂げていく。 やがて雛子の中に芽生えた小さな恋心。でも恭平には、忘れられない人がいて─────……? 仕事に邁進する二人を結ぶのは師弟愛? それとも─────。 おっちょこちょいな新人と、そんな彼女を厳しくも溺愛する教育係のドタバタ時々シリアスな医療物ラブ?ストーリー!!

大人の幼馴染

七瀬蓮
ライト文芸
大人になって再会した幼馴染の二人の物語です。

6人分の一汁三菜作ってます

山河 枝
エッセイ・ノンフィクション
日常的に、義両親&筆者夫婦&子2人の夕飯(一汁三菜)を用意してます。 以下の条件があります。 ・惣菜はOK。 ・汁物はほぼ必須。 ・でも味噌汁は駄目。 ・二日連続で同じようなおかずを出してはならない。 ・時期によっては、連日、大量に同じ野菜を消費しなくてはならない。 ほぼ自分用献立メモと、あとは家庭内のいざこざや愚痴です。 筆者のしょうもない悩みを鼻で笑っていただければ幸いです。 たまに自作品の進捗状況をさらしてます。 子どもが夏休みの時などは、品数を減らしてもOKになりました。 今のところは。 (旧題:「毎日6人分の一汁三菜作ってます」)

飛べない少年と窓辺の歌姫

紫音
ライト文芸
児童養護施設で育った男子高校生・烏丸翔は、悪友に誘われるがまま動画配信のために危険な度胸試しを繰り返していた。下手をすればいつ死んでもおかしくないという危機感を覚える中、不注意から足を負傷した彼は入院先の病院で一人の少女と出会う。病に冒され、自らの死期を悟りながらも自分らしさを貫く少女の生き様に、烏丸は惹かれていく。

その後の愛すべき不思議な家族

桐条京介
ライト文芸
血の繋がらない3人が様々な困難を乗り越え、家族としての絆を紡いだ本編【愛すべき不思議な家族】の続編となります。【小説家になろうで200万PV】 ひとつの家族となった3人に、引き続き様々な出来事や苦悩、幸せな日常が訪れ、それらを経て、より確かな家族へと至っていく過程を書いています。 少女が大人になり、大人も年齢を重ね、世代を交代していく中で変わっていくもの、変わらないものを見ていただければと思います。 ※この作品は小説家になろう及び他のサイトとの重複投稿作品です。

鏡鑑の夏と、曼珠沙華

水無月彩椰
ライト文芸
文芸部員の雨宮彩織は、夏休みの終わり際、"夏"を探しに田舎へと帰省する。その先で再会したのは、かつての幼馴染であり、彼の初恋の相手──椎奈あやめだった。そこで彩織は、彼女に『自分の色を分ける』ことを決意する。昔とは少し違う夏休みのなかで、ただ夏だけを描き続けた幻想綺譚。どこか懐かしくて物悲しい、狂おしくも儚い夏物語。 『縁なしの紺青の空、ただ立ち昇るだけの入道雲、アスファルトに霞む夏陽炎、降り注ぐような蝉時雨──僕は存在しない虚像の夏に、焦がれている。』 【原案:春夏秋冬 廻】 【執筆:水無月 彩椰】

処理中です...