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scene 5 それは、魔女の館?

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「行ってみれば、いいじゃない?」
カスミもうなづきます。
すると・・・いつの間にか人が一人、2人とこの家の近くに姿を見せまいた。
「あらあら、大変!もうそんな時間?」
大家のおばあさんは、急にあわててソワソワとし始めます。
エラは「なに?」と、その人たちを、不思議そうに
眺めると、大家さんは、カスミたちの方を向き直り、
「ごめんなさい。私もバイトを始めないと・・・」
と言いだすので、
カスミは「ああ」と、訳知り顔で、うなづきます。
「行きましょ」
 カスミは、エラの背中を押して、前に進むよう
促すので、
「また、ゆっくりと話しましょ」
おばあさんは、あわてて家の中に、引っ込みました。

「なに?」
背中を押されて、まだわけのわからないエラの側を、
先ほどみかけた人たちが、1人1人と近付いて来ます。
エラはとうとう、我慢できずに、
「一体、何があるの?」
と、今度は強めに聞くと、カスミは黙って、再び
エラの背中を押します。
一体、なにがあったのか、わからない。
誰でもいいから、教えて・・・と思いながら、窓の外を見てから、ようやく前の方を向きました。

 先ほどまでは、ポツン、ポツンとまばらだった人も、いつの間にかその列は、長く連なって、家々の前や、お店の前に、膨らんでいきました。




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